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最弱村人だった俺が、AIと古代遺跡の力で世界の命運を握るらしい  作者: Ranperre
第3章「母の涙と“強くなる”決意」
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訓練開始──遊びじゃない遊びをしよう

その夜、俺は布団の中でずっと目を閉じていた。


 アネリスの言葉が、何度も頭の中で反響していた。


「──あなたの父さんも、母さんも、遺跡に関わって、命を落としたのよ」


「──もう、誰かの『代わり』にはなれないの」


 彼女にとって、俺は「息子」であり、そして──「二度と失いたくない存在」なんだろう。


 それは、痛いほどわかっている。


 だからこそ、こんなふうに思ってしまう。


(……それでも、諦めきれない)


 祖父の残した技術。Chat Form。ルシアの存在。


 俺だけがこの世界でそれを“起動”できる。

 そして──それは、ただの偶然じゃないはずだ。


(この力は、何かの意味があって俺に渡された)


 そう信じたい。信じなければ──前世で孤独に死んだ意味すら、なくなってしまう。


「よし……強くなろう」


 ぽつりと、自分に言い聞かせるように呟いた。


 母を安心させるために。

 自分自身がこの世界で生きていくために。


 そのために、まずは──力が要る。


 誰かに護られる子どもじゃなく、自分の足で立てる強さを。


 翌朝、俺は裏山の小道にひとりで向かった。


 村の子どもたちは、広場で鬼ごっこをして遊んでいる時間だ。


 だけど俺は、その“遊び”を別のものに変えることにした。


「……訓練、開始」


 口に出して言うと、自然と気持ちが切り替わる。


 まずは昨日確認した“ガンスラッシュ”を取り出す。

 収納カードを軽くスライドすると、青白い光が広がり、片刃の剣が現れた。


 握った瞬間、手のひらが少しだけ熱を帯びる。


「重さよし。バランスも問題なし。じゃあ……素振りからだな」


 草をかき分け、人目のつかない場所で──

 俺の、“遊びという名の訓練”が始まった。

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