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最弱村人だった俺が、AIと古代遺跡の力で世界の命運を握るらしい  作者: Ranperre
第2章「祖父の遺言とアイテムボックス」
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封印された中核──SeedCore_01

 AI──ルシアとの邂逅から一夜が明けた。


 俺は朝早く目を覚ますと、まだ肌寒い空気の中、裏山の小道を登っていた。

 目指す先は、村の外れにある祖父の旧宅跡。


 かつて祖父──エルド・アルヴェインが住んでいたというその家は、今ではもう誰も住んでいない。

 けれど昨晩、ルシアが言った。


「記録は、第一端末では不完全です。再構築には、“母体となる装置”が必要です」

「あなたの直系、記録主であるエルド氏の保管端末を探してください」


 俺に記録が残されているのなら、それを解く鍵もまた、祖父の元にあるはずだった。


 祖父の家は、今にも崩れそうな小屋だった。


 木の扉は外れて斜めにぶら下がり、壁は苔むしていた。

 だが──俺には確信があった。この中に“ある”。


「ルシア。ここ、電源とか要るのか?」


「問題ありません。この周囲には“残留共鳴”があります。起動可能です」


 ルシアの声は、俺の意識に直接響いてくる。

 装置から離れていても、リンクが保たれているらしい。


 扉を押し開け、かつての書斎だった部屋へ入る。


 床に落ちたガラス管、書きかけの図面、金属パーツ……

 ──ここは、まるで研究室だ。


「まさか、こんな村で……」


 俺は、部屋の奥に積まれていた木箱を開けた。

 その中に埋もれていたのは──かつての俺が見たことのある構造。


「これ……筐体だ。しかも、……“制御中核ユニット”?」


「確認。型番一致。“SeedCore_01”。Chat Formの記録母体を確認」


「当たりかよ……」


 古びた装置に触れた瞬間、それは淡く光を放った。


 >> Legacy Device Detected.

 >> AUTH: ELDO_Archive → Transferred to: YUURI_Alvain

 >> Archive Sync Initiated...


 次の瞬間、光の粒が空中に集まり、立体映像が投影された。

 映し出されたのは──老年の祖父の姿だった。

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― 新着の感想 ―
AI繋がりで来ました。 プログラミングと魔法は確かに似ているかもしれません。 AIをどう使うのか・・・楽しみに続きを読ませていただきます(*´ω`*)
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