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最弱村人だった俺が、AIと古代遺跡の力で世界の命運を握るらしい  作者: Ranperre
第8章「神の加護と冒険者たち」

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推薦任務──信仰を越える実力

 街エインクレストの朝は早い。

 市場には香草や燻製肉の匂いが立ち込め、通りには冒険者たちの声が飛び交っていた。


 そんな中、冒険者ギルドの受付で一人の少女が登録を終え、ほっとした顔で振り返る。


「ふう……これで私も、正式な冒険者だね」


 ──セラ・ルディア。薬師見習いにして、調律神ルシアを信仰する“祈り手”。


「おめでとう、セラ」


 入口のそばに立っていたユーリがにっこり笑って手を振る。

 すっかり見慣れた黒装束に銀のガンスラッシュ。そして、肩には淡く発光する粒子のルシア。


「これで、一緒に依頼に行けるね」


「今までは“同行者扱い”だったからな。これで正式にパーティだ」


 二人は並んで掲示板に目を向ける。依頼書の中に、ひときわ目立つ一枚があった。


 《【推薦】Bランク魔物「トレント」討伐任務》

 ──依頼主:東エインクレスト警備団

 ──場所:西の迷いの森・境界域

 ──報酬:金貨5枚


「……推薦依頼?」


 ユーリが眉をひそめる。

 通常、Bランク以上の依頼は、推薦や実績がないと受けられない。

 しかしこの依頼の受付欄には、すでに名前が記載されていた。


【推薦者:ギルド受付嬢カリナ】

【対象:ユーリ・アルヴェイン&セラ・ルディア】


「俺たち……推薦されてる?」


「びっくり……でも、昨日の薬草採取の時の魔物退治、見られてたのかな?」


 ギルドの奥から現れた女性が、やや苦笑気味に声をかけてきた。


「驚いたかしら? あのときの戦い、ちゃんと報告受けてるの。少なくともBランク下位程度の実力はあると判断したわ」


 受付嬢カリナ。冷静で鋭い眼差しを持つ女性だが、セラには優しい。


「冒険者は“結果”が全てよ。君たちは“信仰”で見られることもあるでしょうけど、それを実力で跳ね返せばいい」


 そう言って依頼書を差し出す。


「──挑んでみる?」


 ユーリとセラは顔を見合わせ、静かにうなずいた。


「やってみるさ」


「私も、君となら行ける気がする」




 こうして二人は初のBランク任務へと挑む。

 だがその先に、“ただの魔物退治”では済まされない出来事が待っているとは、まだ知らなかった──。

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