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最弱村人だった俺が、AIと古代遺跡の力で世界の命運を握るらしい  作者: Ranperre
第34章「女神の降臨と王都に響く噂」

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それぞれの立場──それぞれの夜

 宿での夕食を終えたユーリたちは、談笑しながら今日一日の出来事を振り返っていた。


 商業ギルドでの打ち合わせ、ルシア像の改築、そして《白鷲亭》での至福の夕食……。


 笑いが絶えないひとときを過ごした後、夜も更け始めた頃──


「……それじゃあ、やりますか。謁見の練習、続き」


 ユーリが腰を上げると、ルシアがぱちんと手を叩いて頷いた。


「ええ、明後日が本番なんだから、気合い入れていくわよ」


「うぅ……また演技かぁ」


 セラは布団に倒れ込もうとしたが、ルシアに肩を引っ張られて引き戻される。


「甘えない!」


「は、はいっ」


 こうして、昨日に続き──再び謁見の練習が始まった。


 広くはない部屋の一角を空け、簡易なカーテンと毛布で「玉座の間」のセットを即席で再現。ルシアは王族の代役を務め、アリエルはその横で細やかな所作の指導役に回る。


「ユーリ、セラ。入場から三歩目で止まり、一拍置いてから跪いて」


「言葉を発する時は一段低く、けれど堂々と。声の響きが重要です」


「謁見の終わりは、視線を下げたまま三歩下がってから立ち上がって──よし。じゃあ、本番行くわよ」


「「はいっ」」


 何度目かの寸劇。


 セラは緊張しながらもドレスの裾を持ち上げ、丁寧な一礼を決め──


 ユーリも真っ直ぐに前を見据え、堂々たる姿勢で台詞を述べた。



 ──そして。


 ふたりが退出の動作を終えた瞬間、ルシアはその場に手を合わせた。


「……完璧よ。ユーリ、セラ……ここまで、本当に長かったわ……立派になったわね……」


 その目元には、ほんのりと涙の光が浮かんでいた。


「ルシア……」


 ユーリは、少し照れくさそうに笑って言う。


「……みんなのおかげだよ。ありがとう」


 ルシアはぐいっと両手でユーリとセラを引き寄せ──


「よしよし、ふたりとも、よく頑張ったわねぇ〜〜!」


 結局、最後は彼女の“女神的スキンシップ”で締めくくられるのだった。


 ひと通りの動作と台詞を習得し、謁見練習にも余裕が出てきた頃──


「……それでは、謁見の儀、これにて終了いたします」


 王族役を務めるルシアが締めの台詞を述べたその瞬間。


「──だが、余にはまだひとつ、問いたいことがある」


 重厚な声が響いた。


 振り返ると、カイルがすっかり“王様”になりきった顔で玉座の座布団に腰を下ろしていた。


「ん?」


 ユーリとセラ、そしてルシアが揃って首を傾げる。


 カイルはあくまで厳かに言葉を継いだ。


「汝、旅の途中にて〈古代遺構〉なる場所に足を踏み入れたと聞く。そこにて、何を見、何を思い、そして今、何を為そうとしているのか──正直に申してみよ」


「え、ちょ、なにそのアドリブ!?」


 ユーリは思わず目を丸くしたが、ルシアの反応はもっと直球だった。


「ちょっと待って、それどういう状況? 台本にないんだけど!?」


 アリエルも苦笑いしつつメモを取っている。


「想定外への対応力を試したいのでは?」


「まさにそうだ」カイルはにやりと笑う。「本番では、予定調和だけじゃすまない場面もある。例えば──王様があえて、個人の見解を問う場面。実際にあった」


 その一言に、部屋の空気が少しだけ引き締まる。


 カイルは王族の威厳そのままに、再度問いかけた。


「ユーリ。こういう場合──お前なら、どうする?」


 ユーリはしばし黙考し、真っ直ぐカイルの目を見返した。


「……嘘はつかず、でもすべてを語るわけじゃなく……“この国と民に害がないこと”を前提に、話せる範囲で誠実に答える。かな」


「──上等だ」


 満足そうに頷いたカイルに、ルシアが小さく肩をすくめた。


「まあ……結果オーライってことでいいかしら」


 セラはほっとしたように笑い、アリエルは真顔で記録を続ける。


「この一幕、反応速度と危機管理能力の判定に良。記録完了」


 こうして、“アドリブ王”カイルによる想定外の質疑応答もまた、良い経験となったのであった。


 カイルのアドリブによって、練習は思わぬ方向に進んだ。


 しかし、ルシアはそのやり取りを興味深げに見守っていた。


「……なるほどね」


 ルシアは小さく頷き、視線をセラに向けた。


「となると、今度はセラね」


 その一言で、セラの背筋がぴんと伸びる。


 ユーリは、ルシアの意図をすぐに察した。


(たぶん……“リリィ・アリア”のことを聞かれるな)


 王様から、もしくはその側近からの質問──


 それは「なぜ少女が神聖魔法を使えるのか」、「なぜその杖の起動を成功させたのか」……そんな内容になると予想できる。


 実際、あの教会で起きた“奇跡”を見た者たちは、それを尋ねずにはいられないだろう。


 ユーリは自分の方向性が固まったこともあり、あとはセラがどう答えるかを見守るつもりだった。


 その時──


「……あの狼、レオがね」


 セラがぽつりと口を開いた。


 思い出すように、けれどはっきりとした声で。


「“この杖を動かした、共鳴させた時点で──貴様はただの民ではない”って言ってたの」


 静まり返る室内に、その言葉が静かに響いた。


 ルシアの目が細くなり、アリエルはすぐにデータを開いて確認を始める。


「それは……公園での出来事よね?」


 ルシアの問いに、セラはこくりと頷いた。


「うん。最初は意味がよく分からなかったけど……きっと、私の中に“何か”があるって、あの狼は感じ取ったんだと思う」


「“ただの民ではない”か……」


 カイルがぼそりと呟き、天井を仰ぐ。


 ユーリも同意した。


「……セラが選ばれた、ってことなんだろうな。“杖に”じゃなく、“何かに”」


 セラは小さく笑った。


「えへへ……私自身は、ただ必死だっただけなんだけどね。でも……リリィ・アリアが動いた時、あたたかい声が聞こえたの」


「声?」


「うん。“あなたにならできる”って。あれ、多分……杖の中に残ってた誰かの想い」


 その言葉に、ルシアの顔がやわらかくほころぶ。


「それなら大丈夫ね。謁見の時、誰に何を問われても──堂々と答えなさい。“私が選んだんです”って」


「……うんっ!」


 セラの返事は、誰よりもまっすぐで力強かった。


 謁見の練習も無事に終わり、室内は達成感と心地よい疲労に包まれていた。そろそろ寝支度を始めようとしたとき、カイルが腕を組みながら意味ありげに口を開く。


「……パーティもあるからな。明日は“ダンス”の練習だな」


「またやるの!?」


 驚きと怯えが混ざった声を上げたのは、もちろんユーリだった。手を思わず前に出して制止するような動きを見せる。


「ダンスなんて、俺には……いや、僕にはハードル高すぎるって……!」


 セラはくすっと笑いながら、ユーリの袖を引く。


「でも、舞踏会って憧れだったんだ。王子様と踊るやつ。せっかくだから、ね?」


 ルシアは腰に手を当て、にっこりと女神の微笑み。


「ユーリ。逃げたら女の子に嫌われるわよ? 大丈夫、私たちがついてるじゃない」


 アリエルも小さく頷く。


「私の記録では、初心者向けのステップを三回反復すれば、筋肉記憶は十分に形成されます」


「なんかその言い方が一番怖いんだけど!?」


 寝る前だというのに、室内は再び笑いに包まれる。


 次なる試練──舞踏の稽古が、静かに迫っていた。


 ◆  ◆  ◆


 ──時刻は深夜。


 ユーリたちが宿での訓練を終え、眠りについたころ。

 街の喧騒もすっかり途絶えた王都アリステリオの裏通りに、ひっそりと灯りの残る一軒のバーがあった。


 カイルはその奥の席で、ひとりウイスキーグラスを傾けていた。

 窓辺の外には月が昇り、曇り空に薄く滲んだ輪郭を浮かべている。


 グラスの中の氷が音を立てるたび、彼の瞳は揺れていた。

 だがその瞳には、酔いではなく緊張と冷静が宿っていた。


「──アクセス、中央回線へ。コード:FL-B10、フィールド監察課、カイル・バルナー」


 周囲に誰もいないことを確認すると、カイルは内ポケットから掌サイズの端末を取り出し、指先で起動する。

 小型ホログラム端末に投影されたのは、白銀の円環を囲む六つの放射線。

 それは、遺跡封鎖機構の紋章。


 音声パス認証の電子音が鳴ると、端末の向こうから無機質な応答が返ってきた。


『……コード承認。フィールド監察課、ログイン確認。前回報告から十日が経過しています。現地報告を開始してください』


「ああ……まとめて報告する」


 カイルは背もたれに体を預けると、言葉を選びながら語り始めた。


「まず、当該対象の正式なパーティ名が登録された。“ユグドラシル”。命名者は、対象ユーリ。」

「象徴紋章は──ギアと翼を組み合わせた意匠だ。中央に歯車、その左右に羽を広げる構図。考案者は…これも対象ユーリ。」


 端末が無言で記録を進めていく。


「次に、街道移動中の出来事だ。エインクレストを出発後、街道沿いで干ばつ被害を受けた集落に立ち寄った。

 現地の農地は壊滅状態に近く、作物の全滅と食糧不足が深刻だったが──対象ユーリが自ら備蓄していた食料と、粒子農業用の“再生種子”を提供した」


 カイルの目が細められる。


「……当該行為は、単なる施しではない。食料支援と同時に、再生可能な循環農法の導入を図った。

 つまり、支援という名の“技術移植”だ。人道的でありながら、影響力を伴う行動。覚えておいた方がいい」


 沈黙が一瞬、端末の向こうで落ちる。


『記録継続。次の報告を』


「……あとは、移動中にルシアが“魔法講座”を開いた。対象者は主にパーティ構成員──ユーリ、セラ、アリエルの三名。内容が問題でな。

 あの講義は、完全に既存の魔法理解と乖離してる」


 カイルはグラスを指先で回しながら、低く続けた。


「“魔法”は、魔素──おそらく前文明の粒子群に属する何らかのエネルギー構成体──を操作することで発動する技術体系。

 ルシアはそれを『感覚』『属性適性』『詠唱言語』『媒体』など複数の観点から分類・解説していた。

 ……つまり、“魔法”は学問であり、科学であり、言語体系であり、芸術ですらあるという主張だ」


『従来の魔法体系と矛盾します』


「その通り。だが、ユーリとルシアの使う魔法は、確実に既存の理論を凌駕している。

 ……ルシア曰く、“どの魔素と親和性があるか”で属性適性が決まるらしい。

 この理論、あんたらは──」


 カイルは小さく息を吐き、言葉を切った。


「……いや、もう知ってたかもな。とっくに上では、そういう分類が共有されてるかもしれない」


 だがその一方で、末端には開示されない情報も多い──それがカイルの立場から見える世界だった。


『報告内容を受理。続行を』


 カイルはグラスを置くと、手元の小型端末を操作し、通信の続きを始めた。

 音声認識が再び起動し、表示されたのは《遺構管理庁 遺跡封鎖特務局》──フィールド監察課の暗号化モニター画面。


「……次は、王都での報告だ」


 言葉を選びながら、カイルは少しだけ息をついた。


「まず、個人情報に関しては伏せる。あくまで対象者の保護と、観測データ優先の原則に従ってな」


 対象者──ユーリとセラ。

 彼らの持つ魔法適正や「特異性」は、いずれ報告せねばならないとしても、今はまだ時期ではない。


「代わりに、ルシアとアリエル。彼女らの技術的性質、および活動内容について報告する」


 カイルは、街道での会話や行動記録を回想しながら、淡々と述べていった。


「王都入り前、エインクレストでユーリたちは商業ギルドにて《トランプ》なる遊戯具を提示し、商品契約に至った。……その際の交渉内容、用語、判断速度から、あの少年は“普通の子ども”ではないと確信した。王都では契約の報酬や売り上げ金の受け取りによる資金調達を行った」


 前世の記憶、という極秘情報には触れず、しかし行動から察せられる“異常性”を丁寧に伝える。


「加えて、本日早朝。王都のルシア教会にて、ルシアによる──“女神降臨”が行われた」


 その瞬間、通信越しにわずかな電波の揺らぎが走る。

 報告の内容が、中枢へリアルタイムで解析に回された証拠だった。


「像の変質、信者の錯乱、奇跡とされる花の開花、光学現象──すべて確認済み。詳細映像は別便で送る。……現地では、既に『女神の再臨』として噂が広まりつつある」


 事実、その影響で王城からの命令が変更された。


「謁見の直後、王主催の公式パーティが急遽開催されることになった。……この件も、ルシアの影響と見て間違いない」


 手元のウイスキーを一口だけあおり、カイルはモニターに向き直る。


「──以上、フィールド監察官・カイル・バルナーからの定時報告を終了する。追って映像記録と解析ログを送信する」


 通信は、静かな電子音とともに切断された。

 夜のバーには、ふたたび静寂が戻ってくる。


 ──しかしその静寂の裏では、すでに別の視線が、彼を見つめ始めていた。


 静まり返った酒場の片隅。

 カイルは通信端末を一度閉じ、深く息をついた。


 それから、わずかにためらいながらも、再び端末を起動する。

 紋章が再び光を放ち、電子音が短く鳴る。


「……ひとつ、頼みがある」


 端末の向こう側に誰がいるのかは分からない。

 だが、カイルの言葉に反応するように、通信回線が再接続された。

 どうやら“上”もまだ聞く気があるようだった。


「ある人物の過去を洗ってほしい。──名前は、セラ・ルディア」


 カイルの声は、これまでの報告よりも、わずかに感情が滲んでいた。


「これが“本名”かはわからない。だが、本人はそう名乗っている」


 沈黙の中、端末の小さなディスプレイに、検索対象のテンプレートが展開される。

 カイルは淡々と続けた。


「年齢は十六。女性。現在はエインクレスト在住。薬師として、メイリン・ルファーナの薬草舗に身を寄せている」


 酒場の外では、夜風が窓を軽く叩く音がした。

 カイルの目は鋭く、だがどこか遠い場所を見ている。


「髪は栗毛。外見は目立つ方じゃないが……」

「──彼女は、“歌”で動く長杖を所持している。実際に動かした現場も、自分が目撃した」


 今日の朝。教会の礼拝堂で、杖が少女の歌に応じて光を放った光景が、カイルの脳裏に焼きついていた。

 神聖とも言えるあの魔力の響きは、明らかに“普通”の人間が使えるような代物ではなかった。


「念のため、身辺も調べてくれ。……もし何か、記録があるなら」


 そこまで言って、カイルはゆっくりと口を閉ざした。

 通信の向こうで、検索処理を示すノイズが数秒間続き──やがて、音もなく画面が暗転する。


 応答はなかった。だが、それは「受理された」というサインだった。


「……頼むぜ、ブラックライン」


 カイルは呟くように言い、静かに端末を閉じた。



 報告を終えたカイルが端末のホログラムを消したその瞬間、隣から静かな声がした。


「ふーん、仕事熱心なのね」


 ぎょっとして振り向けば、そこにはルシアがいつの間にか腰掛けていた。

 手にはグラス──彩りの綺麗なソフトドリンクカクテル。夜のバーにしては少し浮いているが、彼女らしい選択だった。


「……おまえ、いつからそこに居た」


 警戒の色を隠さずに尋ねたカイルに、ルシアはくすっと小さく笑ってから答える。


「そうね……私たちが王都に着いたあたりから、かな」


「ほぼ最初からじゃねぇか」


 カイルが額を押さえたのも無理はない。

 彼がどこまで話すか慎重に選んでいた報告内容が、すでに隣席の女神のAIに聞かれていたとは。


 だが、ルシアは特に責めるわけでも、咎めるような視線を向けるでもなく、カイルの顔をじっと見つめた。


「でも……ユーリとセラの魔法適正とか、ユーリの“昔のこと”は伏せたじゃない」


 その言葉に、カイルはふっと視線を逸らす。


「……まあな。そこは……アイツら自身が決めることだろうよ」


 不器用ながらも、相手の意志を尊重するという姿勢。

 それを聞いたルシアの瞳が、ほんの一瞬だけ優しく揺れる。


「カイルってさ、本当に“悪人”になりきれないよね」


「褒めてんのかそれは」


「どうかしら?」


 ルシアはからかうように肩をすくめると、グラスを傾けながらふと視線を横に流した。


「それで──セラのことなんだけど」


 その言葉に、カイルは無言で続きを促す。


「あなたたち《遺跡封鎖特務局》の調査能力って、それなりに高いんでしょう?」


「……言い方にトゲがあるな」


「うふふ、誉めてるのよ。で、聞いてみたいの。セラのこと、どれくらいで分かるの?」


 その問いかけに、カイルは腕を組んでから短く息をついた。


「どうだかな。セラの場合、洗うにしても情報が少なすぎる」

「戸籍も記録も、王都の教会経由で最低限ってとこだ。足取りも曖昧で、関係者も少ない。調べようにも時間がかかる」


「すぐに分かることじゃないのね」


「ああ。だが──場合によっちゃ、ユーリだけじゃなく、あの子も“対象”になる可能性はあるかもしれねぇな」


 その“対象”という言葉の響きに、ルシアの眉がわずかに動いた。


「それは、避けたいわね」


 静かに、けれどはっきりとした口調だった。

 どこかにある“線”を越えさせない──彼女なりの警告、あるいは決意にも似た意志。


 カイルもまた、応じるように短く返した。


「……分かってるよ。俺だって望んじゃいねぇ」


 やがて、ルシアは最後の一滴までソフトドリンクを飲み干すと、椅子からすっと立ち上がった。

 手にしていたグラスをカウンターに置き、笑顔で振り返る。


「それじゃ、帰りましょうか。……カイル、ごちそうさま☆」


「はぁ? おまえな……俺に奢らせる気かよ」


 カイルが呆れ声を上げると、ルシアはウインクをひとつ。


「だって、ちゃんとお話聞いてあげたんだから。それくらいの価値、あるでしょう?」


「ったく……しょうがねぇな」


 どこか懐かしい“姉弟”のような空気を残して、二人は静かな夜の路地へと歩き出していった。

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