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最弱村人だった俺が、AIと古代遺跡の力で世界の命運を握るらしい  作者: Ranperre
第5章「旅立ちの刻と母の祈り」

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俺のルート──X-Runner、旅へ発進

 キャラバンとともに出発してから数時間後。


 道は分岐に差しかかった。


 一方は舗装された街道──最初の目的地である小さな街へと続くルート。


 もう一方は、森を抜ける山道──地図にも載っていない裏ルートだった。


 ユーリは街とは反対の、後者を選んだ。


「ここで、分かれます。ありがとうございました」


「おい坊主、本当にそっちでいいのか? 山越えだぞ?」


 隊商長が心配そうに声をかける。


 ユーリは笑って首を振った。


「大丈夫です。こっちは“俺のルート”なので」


 少し驚いたような顔をされたが、無理もない。


 15歳の少年が一人、街道から外れたルートを選ぶなど──まともな判断には見えないだろう。


 だが、彼には確信があった。


 “自分には武器がある”。

 そして“この世界を旅する準備は、すでに整えてある”。




 キャラバンを見送った後、人気のない林道の中ほどでユーリは立ち止まり、カード型の端末を手にした。


「──よし、じゃあ一発目……いくか!」


 カードを空中にかざし、アクセスコードを解放する。


 Item Access: X-Runner / Fuel-less Terrain Vehicle

 Deployment Mode: Compact → Travel

 Confirm? [YES] [NO]


「YES!──展開!」


 光の粒子が収束し、空間に淡くきらめくブロックが次々と形成されていく。


 それはまるで、立体パズルのように組み上がり、数秒で一台の車両が完成した。


 ──《X-Runner》。


 黒く無骨な車体。四輪駆動のクロスカントリー仕様。

 燃料不要。天候対応型ボディ。軽自動運転モード付き。


「うぉお……やっぱカッコいいわ……!」


 少年の顔に、年齢相応のワクワクした表情が戻る。


 車体の側面に手をかざすと、ドアがスライドして開き、内装の操作パネルが光を帯びる。


「ルシア、ナビ支援頼める?」


「可能です。ルートスキャン開始──サブサテライト機能、微弱ながら起動中」


「サブサテライトって、まだ動いてたのかよ……!」


 ルシアの淡い粒子が運転席のダッシュボードの上に集まり、投影されたマップが立ち上がる。


 進むべき道、目的地への迂回ルート、補給可能地点などが次々と表示される。


「じゃあ、行くか──俺の旅、第一歩」


 クラッチレバーとハンドルに手をかけ、アクセルを踏むとエンジン音のない無音の駆動が、滑るように四輪を回し始めた。


 タイヤが土を蹴る。


 木漏れ日の中、X-Runnerは森の奥へと静かに滑り出していった。

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