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最弱村人の異世界成り上がり 〜AIと古代遺跡の力で世界の命運を握るまで〜  作者: Ranperre
第5章「旅立ちの刻と母の祈り」

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さらば、優しき日常──旅立ちの春に

 家の手伝い。

「遊び」と称した鍛錬。

 時折、村の周囲に現れる魔物の掃討。


 ──それが、ユーリ・アルヴェインの変わらない日常だった。


 誰よりも早起きし、薪を割り、水を汲み、家の掃除と畑の手入れを欠かさない。


 日中は村の子どもたちと遊ぶ“ふり”をして裏山で訓練。

 夜は自室で密かにChat Formを展開し、魔法と技術の統合テストを続ける。


 そのすべては、いつか“旅立つ日”のために──




 そして、15歳の春。


 その日はとうとうやってきた。




 村に、交易のキャラバンが来た。


 外の街と村を繋ぐ数少ない定期往来。

 このキャラバンは、次に来るのが半年以上先になる。


 それはつまり──


「……今日、出るよ」


 その朝、ユーリはアネリスの前に立ってそう告げた。


「……そう。……そうなのね」


 アネリスは、泣かなかった。


 けれど、その手は少し震えていた。


「お父さんも……お母さんも、きっと見てるわ。立派になったものね、ユーリ」


「……ありがとう。行ってきます」


 抱きしめられたのは、いつぶりだったろう。


 言葉の代わりに、ただ優しく、強く、背中を押してくれた。




 キャラバンは、村の中心で準備を整えていた。


 獣に引かせた荷台、街道用に補強された車輪、警備役の傭兵たち。

 隊商長がユーリに声をかける。


「坊主、道中一緒に行くって話だったな? 一日だけなら無料でいいぜ。俺たちも途中まで護衛が増えるのは助かる」


「感謝します」


 ユーリは、荷馬車の後部に軽く飛び乗った。


 その横では、淡い光をまとった小粒子──ルシアが静かに漂っていた。


「今日から、だな」


 彼は、小さく呟いた。


 そして、そのままキャラバンは出発した。

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