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最弱村人だった俺が、AIと古代遺跡の力で世界の命運を握るらしい  作者: Ranperre
第4章「魔法の芽と忍び寄る影」

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10/202

魔法という名のコード──始まりの火球

 それから数年が経った。


 ユーリ・アルヴェイン──十歳。


 彼は今も、「遊び」と称した訓練を続けていた。


 ガンスラッシュの素振り、シールドリングの展開操作、重い荷物運びによる筋力強化。


 だがそれだけではない。


 家では薪を割り、水を汲み、畑を耕す日々。

 表向きは“村の子ども”として、ごく普通に暮らしている。


 けれど、心の奥ではいつも燃えていた。


 ──強くなる。

 ──いずれ旅立つその日のために。


 そして、十歳の春。


 ユーリは「魔法」の訓練に着手した。


 きっかけは、小さな異変だった。


 ある日の訓練中、Chat Formに小さな通知が表示されたのだ。



 Chat Form Module: MagicLayer Sync Level = 3%

 Suggestion: Initiate Basic Spell Structure Test


「魔法……いけるのか?」


 興奮しつつ、ユーリは《Chat Form》を展開し、粒子状の光──ルシアに話しかけた。


「ルシア。魔法、教えてくれ」


 その光はふわりと漂い、ゆっくりと反応した。


「……基礎属性評価……完了。ユーリ・アルヴェイン:最適適性属性『熱変換/干渉型』。

 小規模火球術式──起動許可」


「マジで……!」


 画面には簡潔な術式モデルが浮かび、タッチ可能なレイアウトとして表示されていた。


 昔のプログラミング言語に似ていた。


 Syntax(構文)、Trigger(発動条件)、Output(出力形式)──

 全てが、かつてのコードと重なって見えた。


「よし……じゃあ、遊ぼうか」


 その日から、ユーリは“魔法”という名のコードを書き始めた。


 地面に描いた構文陣、反応時間の短縮試行、属性出力のチューニング……


 遊び、実験、失敗、成功、観察、改良。


 まさに“開発者”としての血が騒ぐ毎日だった。


 しかし──

 その平穏は、思ったより早く破られる。

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