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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
白鳥さんと嘘吐きカラス
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おれがお役御免ってことか?



「セバスチャンは、本場の英国執事なのよ。彼の淹れる紅茶は、高村君が淹れたものとは格が違うわ。月とスッポンよ」




 おれは、そんな素晴らしい紅茶を飲みながら、セバスチャンの自慢話を聞かされていた。




「それに、セバスチャンが居れば、とても心強いわ。百匹のドーベルマンよりも一人のセバスチャンね。……セバスチャンをただの中年紳士だと思ったら、大間違いよ。昔、私がある組織に身の代金目的で誘拐された時、セバスチャンが一人で助けに来てくれたのよ。たった一人で、組織を壊滅に追い込んだのよ。アクション映画、顔負けよ。だって、空中飛び膝回転蹴りよ。CGではなく、本当に。あの技は『ライトニング・ドロップ』と勝手に命名したわ。それから、セバスチャンは『ライトニング・バトラー』として名を馳せ、様々な組織から恐れられるようになったのよ」




「とにかく、ツッコミ所が多すぎてどこからツッコんだらいいか、分かんねえよ。とりあえず、白鳥は中二病で、セバスチャンはスゲーってことでいいか?」




「中二病は訂正しなさい」




「ふふ、褒め過ぎですよ、美和子様。私はただの中年執事で御座いますよ」




 銀髪で青い瞳のイギリス人だが、日本語は流暢。




 日本人以上に丁寧だ。謙遜の心も学んでいる。




「あのさ、もしかして、セバスチャンを呼び戻したのは、おれがお役御免ってことか?」




 白鳥が一人暮らしを始めたのは、高校に入る前の春休みかららしい。つまり、それまではセバスチャンと住んでおり、今回呼び戻したということになるのだ。




「安心しなさい。あなたは一生扱き使ってあげるから。……セバスチャンを呼んだ目的は別よ。事が済んだら、帰国してもらうつもりよ」




 別に、好きで下僕な訳じゃねえよ。

白鳥さん誘拐事件はテレビでも放送されました。

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