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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
白鳥さんと嘘吐きカラス
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お金で人の心は買えないよ



「私の所に恋愛相談に来る子の約四割が、烏丸君狙いなのよね。諦めなさいとキッパリ言いたいのだけれど、中々そうもいかないのよね。あの手この手を尽くしたけれど、ことごとく敗北よ」




 あの手この手とは、簡単に言えばワイロだ。




 プチセレブな白鳥様は、そいつの欲しい(ゲームとか)や高級お菓子で釣るのだ。




 相談者(主に女子)の良い所を伝えたり、アピールさせてもターゲットがなびかなかった場合の、最終手段だ。




試しに付き合ってみれば、意外と上手く行ったという事例も少なくはない。




もちろん、お互いが両思いっぽかったら、そんなことはしない。告白場所をセッティングして、自信を付けさせて終了、ハッピーエンドだ。




しかし、烏丸にだけは何をしても効果がなかった。




基本、ワイロを贈りに行くのはおれだが、烏丸だけは白鳥が直談判に行った。




ついに、現金が出て来たのはさすがに引いた。




『お金で人の心は買えないよ』




 その時の烏丸の名言である。




 白鳥の心に刻まれていることを願う。




「烏丸君には本当に参ったわ。振られても、彼を嫌いになった子は一人もいないのですもの」




「振り方も紳士的だもんな」






『君の気持ちは、とても嬉しいよ。でも、僕は君とは付き合えない。ごめんね。……僕を好きになってくれて、ありがとう』




 とても優しい笑顔で言うとのことだ。






 そりゃ、嫌いにはなれないよ。




「彼、男子からも告白されたそうよ。やんわりと断ったらしいけど」




「おれが女だったら、惚れてるかもな」




「それに、彼の粗を探そうにも、見付からないのよね」




 溜め息を吐く白鳥。




「……ベタ褒めだな」




 白鳥に褒められる男子は烏丸くらいだ。




「やっぱり、もう少し早く調査に乗り出すべきだったわね。……粗の無い人間なんて、いないのだから。烏丸君の弱みを見付けるわよ」




「お前、今、すごく嫌な奴みたいだぞ」




 完全に悪役じゃねえか。




 お前、一応、ヒロインだぞ。




「そういえば、高村君。あなた、修学旅行で行動班も、旅館の部屋も烏丸君と一緒だったわよね?」




「ああ、そうだけど……」




「四六時中、一緒だったのなら、弱みの一つも見付けられたわよね?」




「確かに、四六時中、一緒だったけど……。別に、いつもと変わらなかったぞ」




「本当、あなたって使えないわね。夜とか、何も語り合わなかったの?」




 女子と同じにすんじゃねえよ。




「枕投げはした。後は疲れてたから、すぐに寝た」




「男子って、本当に馬鹿……」




 呆れる白鳥。

修学旅行は広島に行きました。

これもまだ語られない物語です。

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