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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
白鳥さんと関西旅行
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顔に出るのよ。



「人がゴミのようね!」




 観覧車の頂上で、白鳥は高らかに言った。




「それが言いたかっただけかよ! どこの大佐だよ!」




「……では、高村君、今から少しシリアスな話をするから、馬鹿な会話は止めましょう」




「何だよ、シリアスな話って」




「それは、あなたも分かっているでしょう?」




「…………ああ、分かってるよ」




「あなた、顔に出るのよ。嘘は吐けないタイプね」




「まあな。おれにポーカーフェイスは無理だった。……で、どこから分かってた?」




「清水寺の辺りから」




「即バレじゃねえか」




「どうせ、薫から聞いたのでしょう? 私の幼い頃のこと」 




 おれは無言で頷く。




「……私は、亡くなった父と母のことが大好きだったわ。父は医者で、仕事が忙しかったけれど、私と母のことをとても愛していてくれていたわ。母は、いつも魔法についてや、わくわくするような御伽噺をしてくれたわ」




 白鳥は、穏やかな口調で話している。




「この遊園地にも、両親や薫と一緒に来たことがあるのよ。あの頃は、お化け屋敷で大泣きだったわ。ジェットコースターは身長が足りなくて、乗れなかったけれど。……本当に楽しかったわ。幸せだった」




 聞いていて、胸が切なくなる。




「イギリスに住んでいる御祖母様はね、本物の魔導師であると同時に、優秀な心理学者でもあったわ。だから、マインドコントロールの様な催眠術は得意だったでしょうね。……確かに、私は幼い頃とは全く性格が違うわ。でもね、私は今も楽しいわよ。高村君と一緒に旅行が出来て、私は幸せ者ね」




 涙もろいおれは泣きそうになっていた。




「私は、ツンデレだから、よく強がってしまうし、あなたに辛辣な言葉を投げつけてしまうことも事も多々あるわ。それでに、高村君は私と一緒にいてくれたわね。……ありがとう」




「……ツンデレって、自分で言うな」




 滅多にデレないくせに。




 でも、その貴重なデレを見られるおれも幸せ者だ。




「そういえば、私が何で高村君を下僕に選んだかだけれど……」




「それだよ、それ。どうして、おれなんだよ?」




「下僕っぽい顔をしていたから」




「な、なんだよ、それ。……まあ、いいか」



白鳥さんはラピュタ好きです。

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