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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
白鳥さんと関西旅行
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会いたかったで~



京都ではなく、新大阪駅に着いた。




「会いたかったで~、美和子!」




 おれが改札口を荷物(おれの+白鳥の)でつっかえさせ、後ろの人に迷惑をかけている数歩手前で、無駄に元気のいい関西弁が聞こえた。




 ……ん? 美和子?




 改札を出て、見えた景色が有り得なかった。




 白鳥美和子が男に抱き締められていた。




「ちょっ、おいっ! お前、何してんだ!」




 思わず、大声で叫ぶ。




「ていうか、誰だ、コイツ⁉」




「五月蠅いわよ、高村君。……それと、そろそろ離れなさい」




 白鳥が冷静な声で言う。




「ああ、すまへんかったな。つい、嬉しくてなぁ」




 そいつは白鳥から離れると、おれの方を向き、二カッと笑いかけた。




「わいと美和子はただの従兄妹やさかい。安心せぇや、あれは単なるハグやから。アメリカとかじゃ、普通やろ?」




 ここは日本だと言い返そうとしたら、服の袖を誰かに引っ張られた。




「アンタ、好きな子をあの兄ちゃんに取られたんか?」




「三角関係なんか? 燃えるわぁ」




 いつの間にか、数人のオバちゃんに囲まれていた。




「違います!」




 そこは否定。おれと白鳥の間には、恋愛感情なんて無いのである。




「キッパリ言いはるなぁ……」




 何故か、男が残念そうに言う。




「それよか、話は場所を移してからにしようや。わいら、かなりの注目の的やで?」




 そう言われてからやっと、ここが駅の改札口であることに気付いた。




 周りからしたら、大迷惑である。




 ていうか、何してんだ、おれ。




かなり恥ずかしい。さっきといい、今といい何なんだ。




 白鳥は明らかにおれに呆れており、弟たちは兄の大失態に赤面していた。優なんか他人の振りをしている。




 唯一、おれの目の前のこの男だけが、何事もなかったかのように平然としている。




 そして、関西弁と爽やかな笑顔でこう言った。




「荷物、重かったやろ? 一方、わいが持っていくから貸してみぃ」





この爽やかな関西弁の男は⁉

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