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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
しずかとしょかん
60/221

タイトル





そして、数か月が過ぎて、文化祭当日。


「浅羽さーん、そろそろ出番だよー」


「は~い」


「頑張ってね、緊張してる? でも、絶対に大丈夫だから!」


「うん、ありがとう」




 舞台袖でこんな会話がされている頃、僕は体育館の上の照明の所にいた。


 客はほぼ満員だ。


 そりゃあ、主役が学校一のモテ男の大久保真斗だからな、当然か……。


 


 劇の配役を決める時、真斗君が宙斗役に立候補、満月さんを千歳役に推薦したのだ。


 二人とも演劇部顔負けの演技力で、クラスの皆も僕もびっくり。




 そんな僕達のクラスの劇のタイトルは……


『あの桜の咲く四月に』


 初恋がテーマのお話だ。






『ねえ、宙斗。来年もここで桜が見れるかな……』


『見れるさ。だって、千歳はもう元気になったんだから』


『……来年も再来年も、その先もずっと、毎年この桜を見に来ようね、約束だよ』


『ああ、約束だ』






「満月さん、真斗君、劇大成功だったね! 上から客席見てたけど、何人か泣いてたよ!」


「よかったね~」


「ああ、頑張ったかいがあったな!」






 満月さんと真斗君の物語は、千歳と宙斗の物語のようにハッピーエンドであった。


 では、僕の物語はどうか?


 失恋したのだから、バッドエンドだろうか。


 いや、僕の物語はまだ終わっていない。


 これは、僕の物語の中の一つの章なのだ。


 次の章で、満月さんに負けないくらい素敵な人と恋をするかもしれない。


 それに、恋愛で物語がハッピーエンドかバッドエンドかなんて決まらない。




 これからも、辛いことや悲しいことがたくさん待っているだろう。


 でも、僕はこの章でかけがえのない大切な友達と出会うことが出来た。


 彼らと一緒なら、きっとどんな困難だって乗り越えられる。




 きっと、僕はもう大丈夫だ。


 そろそろ、次の章へ進もう。


 今まで僕が通ってきた章のタイトルは……





   『大切な友達』




宇宙君の恋は破れましたが、読後は爽やかになるように心がけました。

 

ここで、宇宙君とは少しお別れ。

高村君語りが戻ってきます。

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