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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
白鳥さんの黒歴史
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勉強しなくていいのかよ

 おれは、電車のなかで、何か上手い言い訳はないかを考えていた。


「あのさ、白鳥。おれ、弟たちに昼飯作らなきゃなんないんだけど」


 今日までは午後カットなので、部活のある二、三年以外は皆、帰宅する。自転車で来る者以外は、ほとんどこの電車に乗るので、車内はかなり混んでいた。


 他の話し声にかき消されないように、白鳥が少し大きめの声で答える。


「だったら、昼御飯を食べた後に青山東駅に来なさい。もう一度言うけれど、拒否権は……」


「ないんだろ?」


「その通りよ。……ちなみに、来なかった場合は、あなたの一家全員を呪うわ」


「家族は関係ないだろ。行くから、呪うなよ、絶対に。……ったく、明日テストだぞ。勉強しなくていいのかよ」


 そう、明日はテストなのだ。国数理社英と五教科一気に。


 受験が終わった日から一度も勉強していないおれは、テストを受ける前から諦めている。


「私は勉強なんかしなくても、それなりにいい点が取れるからいいのよ」


 白鳥は、自信たっぷりに言った。


 同じ高校に受かったのだから、学力はそんなに変わらないはずなのに、この差は何だろう。元の頭の出来が違うのか。


 そうこう考えているうちに、青山東駅に着いた。


 ここまで来ると、車内はけっこう空いてきている。


「じゃあ、待ってるわよ」


 そう言って、白鳥は電車を降りていった。



長期休み明けのテストほど、だるいものはないですよね。

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