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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
しずかとしょかん
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大久保君はモテる。



「宇宙君、敬語禁止だよ。真斗君とも、これから仲良くなっていくんだから、自分から壁を作っちゃダメだよ」


 別に仲良くなりたくはないのだけど。


「確かに、敬語使われると壁を感じるな。何かよそよそしい感じだし。……じゃあ、俺も今から、橘のこと宇宙って呼ぶわ。俺のことも真斗でいいから。いいよな、宇宙?」


 僕の返事を待たず、早速名前呼びの大久保君。


「いいよ。……でも、僕はいつも通り呼ぶから。呼び方をすぐ変えるのは無理なんだ」


 別に大久保君とそんなに親しい仲になりたくないし。


「何だよ、つれねえなあ。まあ、呼びたいようによんでくれればいいや」


 そんなことよりも聞いておかなければならないことが。


「でも二人は学校では名字で呼び合ってたよね?」


「あ~、それはね……、真斗君がモテるからだよ。私だけが名前で呼んでもらうなんて、他の女の子達からひがまれちゃうでしょ」


「ああ、そういうことだったんだ」


 納得。何か変な噂でも立てられたら堪らない。女子の嫉妬は怖そうだし。


「それにしても、俺のどこがそんなにいいんだ? 自分じゃさっぱり分からん」


「うわ~、それ嫌味だよ。ねえ、宇宙君?」


「完全に嫌味にしか聞こえないよ」


 顔良し頭良し性格良しの三拍子揃って、モテない方がおかしい。


「嫌味じゃねえよ。それに、自分がモテるって自覚があったらナルシストだろ」


「確かにそうだけどさ~。真斗君、鏡の中の自分の顔をジーっと見てみるといいよ。どこかの男性アイドルグループに入っても違和感を全く感じさせない顔が映っているから」


 これでダンスと歌が出来たら完璧だ。大久保君なら普通にそつなくこなせてしまいそうだが。


「なあ、宇宙。そんなに俺の顔いいと思うか?」


「うん、僕達の学校では断トツで君が一番だよ。おまけに、陸上部の期待のエースだし」


 彼を褒めたくなんてないけど、非の打ち所がなかった。


「ああ、もう! もうこの話は終わり! 早く脚本考えるぞ」


 この後も大久保君のモテ話を続けられると、僕が悲しくなるだけであった。


「そうだね。……で、浅羽さん、なんかアイデアとかある?」


 ここは文芸部の浅羽さんが中心となって考えた方が良いだろう。


「う~ん、まずは方向性を決めないとね。これはクラスの皆の意見とか聞いた方がいいよね」


「そうだな。じゃあ、俺が明日、皆にアンケート取ってくるわ」


「お願いね、真斗君。……じゃあ、今日はもうやることないね」


「そうだね。じゃあ、僕はもう帰るよ」

大久保君は体育のダンスの授業でも大活躍でした。

宇宙君は上手く踊れず散々でした。

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