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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
白鳥さんの黒歴史
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ただの想像だよ

「白鳥……、黒歴史に落書きした奴が分かったよ」


「だから、霊でしょう」


 今までそう思って、張り込みまでした。


「……違うよ。霊じゃなくて、人間だ」


「じゃあ、誰だっていうのよ」


 それは――――。


「……それは、お前だよ、……白鳥」


 白鳥の顔が驚愕の色を見せた。


「な、何を言っているの? なぜ、私がそんな一人芝居のようなことをしなければならないの?」


 この反応は、当然だ。 


 なぜなら、この白鳥は知らないのだから。


「これは、立派な推理なんかじゃない。……ただの想像だよ」


「想像?」


「ああ、そうだ。落ち着いて聞いてほしい」


 白鳥が無言で頷いた。


「お前は、二重人格なんだ」


「……そんなこと、私は知らない」


 白鳥は、かなり動揺していた。


「知らなくて当たり前なんだ。……だって、お前にその自覚はないんだからな」


「それって……」


「お前の好きなエドワードがヒントになったんだ。……それに、おれはお前のもう一つの人格と実際に話したんだ」


「つまり、もう一人の私が犯人……」


「そうだ」


「じゃあ、私たちが今までやってきたことは、全て間違いだったというの?」


「……ああ、そうなるな。……でも、おれはお前といろいろ話せて、楽しかった」


 おれは、今、多分、泣きながら笑ってる。


「……え?」


「こんなに、話すことが楽しいって思ったのも、お前が初めてなんだぜ。……それに、お前はもう寂しくなんかない。……おれが、お前を助けてやったから」


『彼』ってのは、おれのことだったんだな。


「寂しくなんか……」


 白鳥も泣いていた。


 これから先は、二人とも泣いていて、何言ってるのか全然分からなかった。






 でも、どこかでこう聞こえたことだけは覚えている。


「ありがとう」



白鳥さんのもう一人の人格は、これで満足したのか以降は出て来ません。

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