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なんか、ほっとけない。
五限目が終わった後、おれは教室から、自分と白鳥のカバンを持ってきて、担任に体調が悪いので早退すると言って、学校を出た。
もちろん、体調が悪いなんて、ウソである。
校門を出たところで、おれは言った。
「なんか、不良みたいだよな、おれら」
「……そうね」
白鳥は苦笑して言った。
「……あのさ、話したいことがあるんだけど」
「何よ?」
「……あとで、話す」
辛いけれど、話さなければならない。
白鳥の家に着いた。
「話とは何かしら?」
家に着くなり、訊かれた。
「夕飯作ってから、話すよ。ちなみに今日はカレーな」
話さなければならない。
白鳥美和子……。
自称黒魔導師で、毒舌で、甘党で、オカルト好きで、オタクで、中二病で……。
プチセレブで、イギリス人の血をひいていて、筆記体が読めて……。
おれのこと、アホとかいう奴だけど……。
なんか、ほっとけない。
出会ってまだ1か月ちょいの二人ですが、絆は育まれています。
物語もクライマックスです。




