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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
高村君の道
221/228

進路希望調査



「僕の前に道はない




 僕の後ろに道は出来る」







 じゃあ、おれの未来の道はどうすればいいんですか?




 と、同じ苗字のよしみで詩人の高村光太郎さんに聞いてみる。勿論、答えは返って来ないし、自分で考えなくてはいけないことだとも、分かってはいる。




「はあ……。どうしよっかなあ……」




 おれは未だ白紙の「進路希望調査」を見詰めながら、深い溜め息を吐いた。







 五月半ば。おれは教室の隅っこの自分の席で、人生について思い悩んでいた。




「何、溜め息なんて吐いているのよ」




「ん、ああ。これだよ、これ」




 おれの顔を覗き込んできた白鳥に、例の紙を差し出す。




「ああ、進路希望調査ね。そんなもの、ちゃちゃっと書けばいいじゃない。何をそんなに悩んでいるの?」




「色々あるんだよ、おれにだって」




 机の上に突っ伏し、ふて寝の姿勢をとる。




「全く、らしくないわね。……次、移動教室よ。早く準備しなさいな」




 そう言って、教科書の端で俺の頭を小突いた後、白鳥はスタスタと教室を出て行った。




「確かに、らしくねえな」

三年生の春、そろそろ真剣に進路を決めないといけません。

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