表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
烏丸君の家族
219/224

僕の話を聞いて欲しいんだ



次の日。




 僕は一日中、弟と一緒にいた。誰かの助けを借りることなく、二人だけで過ごした。




 昼頃に、僕はある所に電話を掛けた。久しぶりに声を聞いた。懐かしい声、穏やかで優しい声。「新しい孫が出来た」と言ったら、それはもう驚いていたけど。




 




「僕の話を聞いて欲しいんだ」




 寝る前、僕は弟と向き合って、こう言った。




「多分、君は僕の言ってることはよく分からないと思う。だけど、聞くだけ聞いて欲しい」




 弟は無表情のまま、こくりと頷く。




「僕にはね、心が無いんだよ。人の気持ちが分からないんだ。だから、僕は君の考えてることもさっぱり分からないし、君のことも分かってあげられない。きっと愛情も注げないだろうし、ちゃんと育てることも出来ない」




 僕は語る。僕自身のこと。両親のこと。兄のこと。大切な人のこと。嫌いな人のこと。今までの人生のこと。




 弟は、途中で寝そうになりながらも、懸命に目を開けていようとしている。僕の話に耳を傾けてくれている。




 延々と、思い付くままに語る。僕がどんな人間で、どのように生きてきたのかを。




 君の兄、烏丸凛について、聞いて欲しいんだ。




 僕が語り終える頃には、弟は眠っていた。




 その愛らしい寝顔を見て、僕は囁く。




「君の名前を決めたよ」

烏丸君が電話をかけた相手は……。


烏丸君の嫌いな人は高村君ですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ