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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
烏丸君の家族
212/226

どうしようもない家族。



家族の温かみというものを知らなかった。






 僕は、自分の家族を本当の家族と呼べる自信がない。




 高村秀や逢坂薫が話す、家族の話に共感が出来ないのだ。家族揃って夕食を食べた経験も、親に叱ってもらった経験も、何も無いのだから。




 冷めた家庭という言葉があるが、そんなレベルの話ではない。僕の家庭は、家族は、終わり過ぎるくらいに終わっていた。成立もしていなかったかもしれない。




 既に両親を亡くしている白鳥美和子でさえ、家族の温もりを感じている。両親はもういないけれど、思い出の詰まったあの屋敷には、彼らの温もりや思いが残っている。いないのに、いるように感じる。僕のそれとは、全く違う。




 いないのに、いるように。




 いるのに、いないような。




 どちらも「家族」なのに。




 酷い両親と、可哀想な兄と、心の無い弟と……。




 本当にどうしようもない家族。




 これは、そんなどうしようもない家族の物語。







 そして、再出発の物語でもある。




 もう終わってしまった家族を、無理やり立て直して、再び始める。




 嘘でもいいから、やり直す。




 これは、そんな前向きな物語。




 嘘吐きで病んでいる僕が、必死で前向きに語る物語。




 




 さあ、始まりの鐘が鳴る……。



烏丸君渾身のプロローグです。

烏丸君の前向きな語りにご注目下さい。

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