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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
逢坂君とゲームクリエイト
206/224

男子には萌えない!



「そうだ、ゲームを作ろう」




春休みの初日、当然のように白鳥邸に居座っている逢坂薫が、唐突にそう言った。おそらく白鳥のマネでもしているのだろうが、一ミリも似ていない。




「あっ、そう。勝手に作れば?」




 こっちも当たり前のように白鳥邸でくつろいでいる烏丸凛が、そっけなく答えた。




「え~、つれへんなぁ。どうせ春休みなんて暇やろ、わいと一緒にゲーム作るくらいしてくれてもええやん」




「興味無いし、どうでもいいよ」




 烏丸の口調は冷たい。薫の話も突然過ぎるが、烏丸も少しくらい話を聞いてやってもいいと思う。




「秀は興味あるやろ、ゲーム作り」




「まあな。……って、そんなことよりも、だ」




 と、おれは薫の顔を引き寄せて、内緒話をする体勢をとる。薫に聞きたいことがあったのだ。




「何で、おれが語り部なんだよ。これは完全にお前の担当だろうが、タイトル的に」




「だって、面倒臭いやん」




 そんな理由で免除されるものなのかよ……。




「お前って、意外とわがままだな」




「そうなんかなぁ……」




 まあ、フリーダムトークはこのくらいにして……。




「で、そのゲームを作るっていうのは、お前の趣味の一環か何かか?」




「そやで。ネットで知り合った人らと盛り上がってもうて、ゲームでも作ってコミケで売るかって話になったんよ。今はアイディアを出し中ってところやね」




「コミケで売るのか。けっこう本格的だな」




 コミケっていうのはコミックマーケットの略。おれも行ったことないから、詳しくは知らないんだけど。薫によれば、とにかくスゴイらしい、人込みが。




「今までは遊び程度で簡単なモンしか作っとらんかったんやけど、そろそろ本気を見せたろ思ってな」




「そういえば、お前プログラミング出来るっていう設定だったっけ」




 今までの薫の言動からはあまり想像出来ないかもしれないが、そういう設定なのだ。古典オタクでコアゲーマー、プログラミング経験もあり。自分で「数学アレルギー」とか言ってる癖にプログラミングは出来るのかよ、というツッコミはなしで。




「アイディアだけでええから、じゃんじゃん出して欲しいんよ」




「まあ、それだけなら……。で、どんなジャンルのゲームを作りたいんだ?」




「乙女ゲーム」




「ああ、あれか。リズムに合わせて太鼓を叩くやつか」




「それは音ゲーやろ。わいが言うてんのは、主人公(プレイヤー)が男子キャラを攻略して恋に落としていく、胸きゅんイベントありの乙女ゲームやで」




 こいつ、今胸きゅんとか言ったぞ。普通に照れもせずに言ったぞ。




「あ、ごめん。それは無理だわ」




 何でそれを作ろうという話になったのか、どんな話でネット仲間と盛り上がったのかは、聞くのが怖かったので止めておいた。




「そんな難しいことやないで。秀が思う男子の萌えポイントとか、萌えシチュエーションとかを教えてくれればええから」




「どんなことがあろうと、男子には萌えない!」




 そんなことをおれに聞くな。逆に、薫は一押しの萌えポイントとかがあるのか? 聞いてみて答えられたら哀しくなるので聞かないけど。




「わいはツンデレ萌えやね、男女ともに」




「えっ、そうなの⁉ ……ていうか、地の文を読むな」




 そして、その問いに答えるな。




「でも、ツンデレって実際にいたら、少し面倒臭いわよね。二次元なら可愛いのかもしれないけれど」




 白鳥が突然、会話に入ってきた。ツンデレという単語に反応したのかもしれない。




「自称ツンデレのお前がそれを言うなって。自己否定みたいになっちまうぞ」




「別に良いのよ。私は自分が面倒臭い性格だってことくらい、分かり切っているもの」




「見事な開き直りだな……」




「それで、萌えキャラを考えるのよね」




「ん? そうだっけ?」




 まあ、最終的にはそうなるのか。




「アイディアくらい出してあげるわよ。男子だけで考えるよりも、女子の意見があった方が良いでしょう」




 プレイヤーの大半は女子だろうから、必須だ。




「白鳥さんが参加するなら、僕も」




 と、烏丸もゲームのアイディア出しに入ることに。




 自然な流れ(?)で、結局全員参加。





「白鳥さんが参加するなら、僕も」




 と、烏丸もゲームのアイディア出しに入ることに。




 自然な流れ(?)で、結局全員参加。

薫語り部はレアです。

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