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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
あの空に捧げる回想録
141/221

本っ当にやるんですか?

      ◆




 夜になってしまった。


 午後十一時過ぎ。辺りは静まり返っている。


 僕たちがいるのは、学校の前。


 深夜の学校は、昼間とは別のものに見える。


「ついに、私の計画その一を実行に移す時が来たようだな! この時をどれ程待っていたことか」


 その一ということは、その二その三もありそうだ。


「本っ当にやるんですか?」


 何度この問いをしても、先輩の答えは決まっていた。


「無論だ。……まさか、ここまで来て怖気付いた訳ではあるまいな? 夜の学校だぞ、七不思議の調査だぞ、わくわくするだろう」


 そう、僕たちは夜の学校に七不思議の調査に来ているのである。


 父の許可は得ている。というか「僕も行きたい」とか言っていた。そこは、親として止めるべきだろうと思う。


 先輩の母親は夜勤で、今日は帰って来ないそうだ。


 セバスチャンさんが保護者代わりとして同行してくれているが、大人として僕たちを止めるべきである。いくら白鳥さんの命令であっても、だ。


「そういえば、侵入経路とかは決めてあるのでしょうね。ノープランなんて言ったら、呪うわよ」


 実は詳しいことは何一つ聞かされていない。先輩に考えがないはずは無いと思うけど。


「ああ、ちゃんと決めてあるぞ。我が校は、意外と防犯には疎いからな。それは、校区が市内でも犯罪発生率が極端に低いことが原因だ。安全な地域ゆえの気の緩みを利用させてもらう」


 


 先輩の言う通りであった。


 塀が低いため、それを乗り越えて簡単に学校内に侵入出来たし、鍵をかけ忘れた窓から校舎内に入ることも出来た。


 自分の学校ながら、もっと防犯に気を配って欲しい。


「よくもまあ、都合良く一階の教室の窓が開いていたものね」


「それは人為的なものだ。私が児島君に第一理科室の窓を開けておいてくれるよう頼んだのだ」


 第一理科室は一階に、第二理科室は三階にある。


「よく協力してくれましたね」


 科学研究会なのに。


「友だからな、それくらい当然だろう」


 というか、科学研究会はこの蒸し暑い理科室で夏休みまで何をしているのだろうか。


「では早速、調査を開始するぞ。北校舎は私と橘後輩、南校舎は白鳥後輩とセバスチャン殿、中校舎で合流だ。場所は昼間言った通りだ。証拠写真を撮ることも忘れずにな。……さあ、行こうか、橘後輩」

当たり前のように行われる軽犯罪……。

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