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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
あの空に捧げる回想録
139/224

私には丁度いいわ

  ◇




 夏休みになった。


 夏は嫌いだ。太陽の光が眩し過ぎるから。


 中学生になって、夏休みにプールに行かなくてもよくなった。大変喜ばしいことである。


 何故、暑い夏にわざわざ日差しの下で水浴びをするのか疑問である。海に行くなんて有り得ないと思う。


 だから私は、クーラーの効いた自宅に籠もっている。


「美和子様、鷲羽様と橘様がお見えになりました」


 執事のセバスチャンが来客を告げる。


「通しなさい」


 夏休みになって、心霊研究会の活動拠点は私の家に移った。学校よりも快適だからだ。


 二日に一度くらいのペースで集まっている。彼らも暇なのだろう。


「お邪魔します。……わあ、涼しい~」


「内と外では天国と地獄だな。……それにしても、些か空調が効き過ぎではないか?」


 先輩が汗を拭きながら尋ねる。


「そうかしら。私には丁度いいわ」


 私の家は全部屋冷暖房完備の素晴らしい設計であり、現在の設定温度は二十四度だ。


「心頭を滅却すれば火もまた涼しという諺がある。君は便利過ぎる暮らしを見直してみたらどうかね。児島君が言っていたが、現代は地球温暖化が深刻な問題になっているのだぞ。北極の氷の溶ける速さが異常で、白熊の危機だそうだ」


「そんなことくらい、知っているわよ。でも、このクーラーの恩恵を受けているのは、あなたも同じでしょう」


 先輩の家にはクーラーが無いらしい。電気代がかさむので取り付けるのをやめたと言っていた。扇風機だけで夏を越すなんて、私には考えられないけれど。


「うむ、そうだな。私が文句を言える立場ではないな」


 先輩は自分の否はすぐに認めるのであった。


「皆様、今日はシャーベットをご用意致しました。休憩時間にお召し上がり下さい」


「後で頂こう。いつもすまんな、セバスチャン殿」


「ありがとうございます」


「いえ、お気になさらず」


 きっと彼らも楽しみにしているのだろう。セバスチャンの持って来るおやつは、いつも絶品だから。

作者は夏休みにプール行った後に部活もあったので地獄でした。

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