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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
あの空に捧げる回想録
133/221

何所へ行こうというのかね

「待ちたまえ、橘後輩。何所へ行こうというのかね」


 僕は先輩から逃げようとしたけど、すぐに捕まってしまった。先輩は意外と足が速かった。


「ちょっと、離して下さいよ」


「何を勝手に怒っているのだ、橘後輩」


「あなたの所為で……」


「はあ? 何を言っているのだ?」


 この人、本当に分かってないんだ……。


「全く、あなたはデリカシーのない人ね」


 白鳥さんが呆れたと言う様に言った。


「どういう事だ、白鳥後輩」


 先輩が白鳥さんに説明を求める。


「橘君が世間体を気にして、心霊研究会に入っていることはクラスメートには黙っておこうとしている矢先に、あなたの所為でそれがバレてしまったのよ」


「何故、バレると困るのだ?」


「クラスで浮きたくなかったからだと思うわね」


 それを聞いた先輩が僕から手を離し、息を吐きながら言った。


「なんだ、そんなことか」


 そんなことって。随分と簡単に言ってくれる。


「良いかね、橘後輩。心霊研究とは、恥ずべき行為ではない。世の中の不思議を解明する素晴らしい行為だ。それに、知られたくなかったことが知られたとて、そう気に病むことはない。君が思っているよりも、意外と物事は単純に進むのかもしれんよ」


 これは先輩なりの励ましかもしれない。大本の原因もこの人にあるけれど。


「……そうですかね」


「そうだ。……それに、私は逆にバレた方が良かったと思っている」


「……はい?」


 何を言ってるんだ、この人は。


「橘後輩は、我が研究会がひっそりと活動するだろうと思っているらしいが、それは間違いだぞ。研究会だからといって遠慮することはない。私は全校生徒を巻き込んだ活動も視野に入れている」


「何を、する気ですか?」


「まだ秘密だ」


 先輩は、楽しみで堪らないという様に笑った。見た目に合わない、子どもっぽい笑顔だった。


「それで、あなたが今日私たちを呼びに来た理由はなにかしら? それに、具体的な活動内容、活動場所についても知らされていないわ」


「そういえば、そうだったな。では、具体的な活動場所に案内しよう」

やっと活動が出来ると分かり、ウキウキの鷲羽先輩です。

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