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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
あの空に捧げる回想録
124/221

髪を切りに行こうよ♪

「やっぱりさぁ、その鬼太郎スタイルは流行らないと思うんだよねぇ。だからさ、髪を切りに行こうよ♪」


「嫌だ」


 入学式帰りの車中。


父はまだ、僕の髪型のことをとやかく言っていた。


 僕は流行に乗った髪型をする気なんて更々ない。というか、今流行の髪型が分からない。


「うわっ、即答。……宇宙はこのまま僕を目玉のオヤジにする気かい?」


 確かに鬼太郎の父は目玉のオヤジだけど……。


「オイ、鬼太郎。新しい学校はどうじゃ?」


 目玉のオヤジのモノマネをしているらしい。全然似てないけど。


「別に特に何も。……あと、そのモノマネ似てない」


「そういえば、隣の席の子が入学早々休みだったのう、鬼太郎」


 僕の指摘を無視するな。


「家の都合でイギリスに帰ってるんだってさ。……だから、そのモノマネ全然似てない」


 今度は「全然」を強調して言ってみる。


「そんなに似てないかなぁ?」


「うん、全く似てない」


「そうかぁ……。それよりも、イギリスねぇ……」


 その後も父はブツブツと呟いていたが、全て無視した。




 僕の隣の席は、あの白鳥美和子であった。


 だからといって、別にどうということは無い。北野君を始め、東山小出身の男子から羨ましがられるだけだ。ただ少し気になるのは白鳥さんが三月くらいからず欠席だということだ。小学校の卒業式にも出ていない。


 イギリスに住んでいるらしい彼女のお祖母さんに、何かあったのかもしれない。


 家の都合の内容が全く知らされていないので、僕には推測することしか出来ないけれど。


 他人の事をあれこれ勝手に推測するのはどうかとも思ったので、白鳥さんの事を考えるのは止めた。


 どうせ、あまり関わり合いになることも無いだろうと。


 少なくとも、この時はそう思っていた。

白鳥さんはイギリスで何があったのでしょう。

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