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後日談
後日談。
あれから、烏丸が変わった。
劇的ビフォーアフターかよってくらいに。
「白鳥さん白鳥さん、今日も綺麗だね。あのさ、今から散歩行かない、二人で? ああ、これはデートになっちゃうよね」
烏丸は白鳥にべっとりなのだ。
「あのさあ、文化祭の劇だけど。白鳥さんはどんなのがいいと思う?」
「宇宙帝国の話でいいんじゃない?」
適当だな。
「そうだね、よし、それにしよう」
それにすんな。
「白鳥さん白鳥さん。文化祭終わった後に、生徒会の後期役員選挙があるじゃない。あれ、僕、ついに会長に立候補しようと思うんだよね。で、どんな演説がいいと思う?」
「『この学校は俺様のものだ!』みたいな感じでいいんじゃない?」
「よし、いいね。それでいこう」
それでいくな。
「散歩にでも出ましょうか? 暑いけど」
「二人で?」
「四人で」
外は暑い。
烏丸が眩しそうに空を見上げる。
◆
兄さん、僕は今も生きてるよ……。
「白鳥さんと噓吐きカラス」読了、ありがとうございました。




