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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
白鳥さんと嘘吐きカラス
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これも一つの愛の形だよ。



「……では、僕もそろそろ帰らせてもらうよ」




 八神さんが席を立とうとする。




「いえ、あなたにはまだ、話があります」




「え……」




 八神さんは一瞬うろたえたが、すぐに笑顔になって言った。




「何だい、話って?」




「あなたが烏丸君の実の父親ですね? 八神聖夜さん」




 ヤガミセイヤって名前なのか。




「って、ええっ⁉ 八神さんが烏丸の父親⁉」




 衝撃的事実だ。




「な、何を言っているんだい? そんなことある訳ないじゃないか」




 八神さんは否定。




「いえ、本当です。DNAが証明しています」




 セバスチャンが八神さんに、証明書のようなものを見せる。




 ていうか、いつの間にDNA鑑定なんてしてんだよ。




「……何で、分かったんだい?」




「初めてあなたを見た時に、烏丸君と似ていると思いました。……それに、いくら愛した人の子どもだからといって、他人の子にそこまでしてあげるでしょうか? 実の親子だから出来たのではないですか?」




 確かに、実の母親が育児放棄していたとはいえ、その子どもの面倒を見るなんて、しかも生まれてからずっとだなんて……。




「そうだよ、僕は凛と燐の本当の父親だよ。冷奈さんは知らないみたいだけどね」




 八神さんも認めた。




「烏丸君、あなたも薄々勘付いていたのではなくて?」




 自分の面倒をずっと見てくれた他人。




 それは、実は本当の父親だった。




 まるで、ドラマだ。




「……父さん?」




「ごめんね、凛。今まで、辛かったね」




 感動の対面。




「水を差すようで悪いのだけど、あなたの分の逃亡資金もあるんですよ、八神さん」




 空気読め、白鳥。逃亡資金の話とかすんじゃねえよ。




「そうだね、僕はあの人を支えなければいけない。君たちには歪んでると思われるだろうけどね。これも一つの愛の形だよ。……じゃあ、そろそろ行くね」




 去り際に、八神さんは言った。




「白鳥さん、これからも凛のことを宜しくお願いします」




「勿論ですよ。あなたの息子さんは、責任を持って、お預かりします」




「……じゃあね、凛」




 八神さんは晴れ晴れとした笑顔で、去っていった。

烏丸君の父親が八神さんだと判明しましたね。

家族として仲良くやっていけるのでしょうか。

まあ逃亡してしまうのですが。

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