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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
白鳥さんと嘘吐きカラス
112/226

見事な作り笑いね



 夏休みの補講が終わってしまい、おれ達は基本的に白鳥家で一日を過ごすことになった。




 烏丸から目を離すと、何処かへ消えていってしまいそうで怖かったのだ。




 烏丸自体も怖いけれど、自殺されるのはもっと恐ろしい。




「白鳥さんはさあ、あの廃病院で僕にこう言ったんだよ。『見事な作り笑いね』って。よく見破ったよね。本当、怖いくらいに恐ろしい洞察眼」




「人間ってさあ、なんて欲深い生き物なんだろうね。僕が欲しいものは、その人間の感情なんだけど、欲深く、醜く生きていくのは嫌だなあ。だったら、やっぱり、人間の気持ちなんて分からないままでいいかなあ、なんて思えるんだ」




 こんな烏丸の言葉を聞かされていると、心が滅入る。




 わざと、言っているのではないかと思う。






「烏丸君と遊んで来なさいな。少しは気分も紛れるかもしれないわ」




 と言って、白鳥が遊園地や水族館やらのチケットをくれた。




 しかし、そこでも……。




「ここから落ちたら、死ねるよねえ」IN観覧車。




「水槽の中で飼われている魚ってストレスが溜まるだろうねえ。だって、一日中、人間達に見られてるんだよ。僕だったら、堪えられないなあ」IN水族館。




「彼らは、自分たちがいつかはラム肉されることを分かっているのかなあ」IN牧場。




 などなど、おれや薫の心臓をビクッとさせることを言ってくるのだ。




 お陰で、おれ達の寿命は数年縮まっただろう。




 気分は紛れるどころか、おれ達の精神が持たない。



わざわざ嫌なことを言ってくる烏丸君。

性格悪いですね。

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