ふーん、まあまあね。
◆
彼女を傷つけてしまった。
でも、僕はどうしたら良かったのか?
あんなことを言われて、正気でいられるはずかないのに……。
彼女は見抜いていた。
僕が必死で隠している本性を、いとも簡単に見破ってみせた。
怖い。
彼女が怖かったのだ。
だから、僕と兄さんは……。
なぜ、あの場所に行ったのか?
あそこは、僕達にとって、タブーなのに。
◇
次の日。
おれは、終業式の間も通知表をもらっている時も落ち着かなかった。
今、白鳥は病院にいる。
おれの家の近くにある、それなりに大きい病院で検査を受けている。
学校が終わったら、すぐに白鳥の所に行くつもりだ。
それで、烏丸はというと、普通に過ごしている。
少なくとも、おれには、そう見える。
いつも通りの烏丸凛であった。
学校が終わり、おれと烏丸はすぐに病院に向かった。
セバスチャンによると、白鳥は左足を骨折して入院することになったそうだ。
「あら、高村君に烏丸君。私の通知表はもらってきてくれたかしら?」
白鳥の学校に置いてあった荷物と共に、通知表を渡す。
「ふーん、まあまあね。……で、烏丸君は言うまでもないでしょうけれど、高村君はどうだったのかしら?」
「……聞くな」
良かった。
とりあえず、白鳥は元気そうだ。
「ちなみに、僕はオール5だったよ。高村君は、チラッと見えたけど、3が多かったなあ」
「……言うなよ。平均するとオール3だよ。泣くぞ」
白鳥さんは平均すると4.3くらいです。




