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白鳥さんの黒歴史  作者: 夢水四季
白鳥さんと嘘吐きカラス
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エリザベスお嬢様



「で、これがお前の正義かよっ⁉」




 数時間後、車内にて。




「はい、似合っておりますよ。エリザベスお嬢様(笑)」




 その(笑)には、悪意しかこもっていない。




 エリザベスお嬢様こと、おれはドレスの端を摘まみながら、喚いた。




「潜入調査の基本は変装で御座いますよ、エリザベスお嬢様。そして、変装といえば女装で御座いますよ、エリザベスお嬢様」




 そう、女装なのだ。




 しかも、金髪巻き毛のお嬢様で、高貴なドレスをまとっている。




 イギリス貴族のエリザベスお嬢様である。




 そもそも、お忍びでも、イギリス貴族がこんな所に来る訳ねえだろ。




「何で、おれが女装しなくちゃなんねえんだよ! お嬢様なんだから、お前がエリザベスやれよっ!」




「私には、貴女様の執事のアーサーという役目が御座いますので」




「何で、執事に王の名前付けんだよ」




「格好良いからでございますよ」




 白鳥は男装している。執事のアーサーである。




 現役執事のセバスチャンは、車内待機。




「その変な喋り方、どうにかしろよ」




 もう、白鳥はノリノリらしく、役に入ってしまっている。




 少し前まで、いい感じにシリアスだったのに、ぶち壊しだ。




「貴方様こそ、言葉遣いがかなり下品であられますよ。女性らしく、おしとやかに振舞って頂かないと困ります」




「だって、女性じゃねえもん」




 しかし、それにしても、白鳥の演技力はスゴイ。




 元々、美少女だが、男装しても美しい。




 美少年である。




 演劇部に入部しろよ。さらに、モテるぞ。






 日が落ちて、歓楽街のネオンが輝く。




「そろそろ行きますよ、エリザベスお嬢様」




「……ええ」




 裏声だ。自分でやっててかなりキモい。




 おれと白鳥のテンションの差が、外の暗さとネオンの明るさで表されているようだった。




 




 白鳥から受けた演技指導では、声は裏声を出す、喋り過ぎるとバレるのでおれは余り喋らないシャイガールを演じる、顔をよく見られてもバレるので扇子で隠す。  




 ていうか、シャイなお嬢様はこんな所、来ねえよ。




 それでもバレたら、実はオカマでしたってことにしろとのこと。




 こんな恥ずかしい姿は、家族には絶対に見せられない。

実は、白鳥さんは演劇部からのスカウトも来ていたのですが、断りました。


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