表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/18

黒熊の家族

あの黒熊です。どうなるのでしょう。

与平を見つけると、駆け寄ってくる。敵意はない。何度か見かけているので、怖さはない。でも、巨体だ。やっぱり怖い。


黒熊は尻を地面に降ろして座り込んだ。戦うつもりはないと言う意思表示なのか。

よく見ると、口に何かを咥えている。栗だ。イガの付いた栗を与平の足元の地面に落とした。



そのまま、黒熊が与平をじっと睨みつけている。

厳しい目つきではなく、穏やかに見える。欲しくないかと言っている気がする。


黒熊が突然視線を外し、背中を見せた。林の手前まで行き与平を振り返る。

ついて来いという意味だ。体を落とした。乗れと言うことか。


その大きさに圧倒されそうになるが、与平は恐る恐る近づいて、背中に触った。

黒熊は微動だにしない。与平は飛んで黒熊の背中に跨った。




黒熊は走り出した。前世の熊の3倍以上の大きさがあり、走る速度も凄い。振り落とされそうになり、懸命に熊の毛にしがみつく。


林の中を左、つまり、南に向かっている。

暫くすると開けた場所に出た。


ハマヒルガオやハマギクに似た植物の群生があり、右奥に切り立った断崖が見える。丘の上から見える断崖の下に洞窟が見えてきた。



黒熊は、その洞窟に入り、その中をさらに進む。壁が薄明るい光を放っており、視界はまずまず。


突然、明るく開けた場所に出た。

栗や団栗等の樹々が群生し、実もついている。

上を見ると、青い空に太陽。


与平が黒熊から下りると、もう1匹の黒熊と子熊がやって来た。

明らかに家族である。

子熊は母熊に纏わりついている。


与平に気づくと、栗林に走り、1本の樹を揺すり始めた。

栗が樹から落ちる。



子熊が与平を見つめている。栗を拾えと言うことのようだ。

与平が、子熊に近づいても逃げずに体を摺り寄せてくる。

両手で体を撫でても、じっとしている。


イガから栗を取り出して集める。子熊も栗を咥えて運んで来てくれる。

大きな栗が1人では食べきれない程、集まる。



集め終わると、子熊と遊ぶ。

受け止めて、押し相撲になる。力比べになるが、結局、押し倒される。

黒熊家族に招待されたようだ。母熊も穏やかな目つきを向けている。

集めた栗をアイテム空間に入れ、黒熊の家族に手を振ってから、家に戻った。



与平は、浜辺で炎球を放って、魚を集め、黒熊の住処に戻った。

栗の樹の下で、黒熊家族が食事中だった。

木の実を割って、中身を食べている。

体の大きな黒熊は、1日中栗を食べても、お腹一杯にはならないだろう。



栗の樹の葉の付いた枝を集めて、その上に魚を取り出して置いた。

子熊が走って来て、また、押し相撲になった。

黒熊家族が魚に鼻を近づけていたが、新鮮な魚だとわかったのか、食べ始めた。どうやら、気に入って貰えたようだ。


与平が子熊の頭を撫でていると、親が笑っているような気がした。

手を振って、住処を離れ、家に戻った。



それからも、時々、魚を持って会いに行く。

彼らも、この島で食料調達に苦労しているのかもしれないが、最後は木の実が助けてくれる。それにしても、太陽まで輝く、あの洞窟は何だろう。


魔術訓練を続けながら、畑や果樹園の世話をしながらの生活を続ける。



そんなある日、温泉の近くで、カニを探す。

岩の隙間を覗くが、見つからない。

岩に打ち寄せる波際を探知すると、海の中に何匹もいる。

潜って取ろうと、服を脱ごうとして、沖の方に目が向いた時、かなり遠くに船の帆影があるのに気づいた。


探知してみると、『盗賊の帆船』と出た。

海賊船だ。洞穴の岸壁に向かっているに違いない。

どうすればいい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ