表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/18

ギガントイーグル

孤島の生活に慣れて来た与平に新たな危機が。

巨大鳥はほぼ真上に来ると、旋回を始めた。


動きは遅くない。鷲や鷹と変わりがないように見える。

しかし、太陽を遮る大きな影に覆われた時、その巨大さを実感させられた。

上空全体が雲に覆い隠されたようである。



旋回から、一瞬静止すると急降下に移った。

海鳥を狙っていると思い込んでいたが、自分を狙って急降下して来た。拙い。逃げなければ。


何とかしなければ。覚えたての鋼鉄の風槍を放つ。放った風槍をさらに加速させる。

距離があるが、首の当たりを狙う。

巨鳥の羽根1枚1枚まで見える。誘導する。



風槍が命中するとパリーンと音がした。何かが割れた。

巨鳥は慌てたように急降下から上昇に移り、より高い上空で再び旋回を始めた。

完全に自分に照準を当ててきている。何故だろう。

そうか、自分の膨大な魔力の所為かもしれない。



暫くの旋回から、急降下に移った。何かを放った。味わったことのない恐怖を感じて、丘の方向に転移した。

元いたところに土煙が立つ。危機一髪だった。

見ると長槍のようなものが数本突き刺さっている。




質問してみる。

「巨大な鳥の魔獣に襲ってきた。どうしたらいい。」

― スキル、使役があります。しかし、動いている相手を使役するには、相手の体のどこかに触れている必要があります。転移して、相手に触れたらどうでしょう。その前に、結界で囲み魔力を吸収すれば、魔力も増やせます。出来ないとは言わせないぞ。失礼しました-



「スキルとは何だ。」

- 特殊技能のことです。万能スキルを持っているので、使役スキルも使えます。使役は自らに従属させることです。使役された魔獣は従魔と呼ばれます-


そんなこと出来るのか。だがやらなければ殺られる。


巨鳥は再び上空を旋回しながら、与平に狙いをつけている。

狙いが決まったのか、急降下して来る。

今度は足の鉤爪攻撃だ。刀の鍔の親指を当て鯉口を切る。


避けようと姿勢を低くしても掴まれそうになり、居合抜きで薙ぎ払った。手ごたえがあった。



巨鳥は羽を広げて上下させ、空中に留まっている。

足に針が刺さった程度以上の痛さはあったようで、良く見ると険しい目がさら厳しくなっている。

突風のような風が来た。飛ばされた。羽ばたきで起きた風だけではない。風魔法か。



飛ばされながら風槍を放つと、再びパリーンと音がした。

その瞬間、死を覚悟して背中に転移した。



羽軸に必死にしがみつき、すぐに魔力を吸い込む。

羽根は硬く鋭く羽軸は棒のように太い。

硬くて鋭い羽根が手と腕に食い込み、血が噴き出る。



先ほどの攻撃はこの羽を槍のように飛ばしていたのだ。

振り落とされないよう歯を食いしばり、魔力を吸い続ける。


巨鳥の抵抗が少しずつ弱まる。

魔力が十分に増えたと感じてから、使役のイメージで魔力を発動した。



巨鳥は一瞬、ぶるっと震えて上昇し、旋回しながらゆっくりと丘の上に降りた。成功したのか。頭から汗が滴る。冷汗かも。


動きを止めたギガントイーグルを確認して、安堵する。降りようと思ったが、普通に飛び降りることなど出来ない。

天守閣の3階の屋根から飛び降りるようなものだ。地上に転移した。

足が震えて腰砕けになり座り込んでしまった。


偉いぞ自分。良くやった。



落ち着きを取り戻したので鑑定してみる。


ギガントイーグル

隷属魔獣(与平の従魔)

250歳

全魔力量 50,000

残魔力量 10,000

属性 風 30

スキル 防御(大)、羽槍(大)



ギガントイーグルの魔力量が、魔力吸収の影響なのかかなり減っている。

今更ながら、思い切ったものだ。結界を破壊して、直接魔力を吸収出来たのは幸運としか言いようがない。


手と腕の傷が深い。

『質問』に聞く。


「傷を治す術はないか。」

― 自己修復機能があります。体に魔力を流してください。当然だろうが。この痴れ者が。失礼しました―


魔力で体を覆うと、血が止まり、傷口が修復されてゆく。何と便利な。医者いらずだ。病気も治療できるだろうか。


― 出血は元に戻せませんので、ご注意下さい。貧血を起こすことがあります。病気も直せます。というより病気に罹りません。また、光の精霊が作りだした水は他の生物のいかなる怪我も病気も治癒出来ます-


「何と言う反則だ。でも助かった。貧血は大丈夫だ。」


使役魔術の事も聞いてみた。


― 魔術で使役された魔獣は、主従関係になります。呼び出したい時に、何処にいても転移させることが出来ます。名前を決めて下さい-



名前? 名前か。

どうしよう。鷹の仲間のようだな。そうだ。

「お前の名前は鷹の王者で、タカオウだ。」

「ギャオ」

「そうか気に入ったか。」



帰って温泉で汗だらけの体を洗いたい。

当分、島を出るつもりはない。住処に戻るよう指示しようとした時、タカオウが砂浜のある海岸線の方向を向き、緊張を見せている。


ちらちらとこちらを見て、行ってもいいかと返事を待っているようだ。


与平が頷くと、飛び立った。

後を追いかけ、丘の縁に立つと、超巨大白蛇が、その巨体をくねらせて、斜面を這って来る。あの白蛇だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ