不思議な青年
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"夜は外に出てはいけない、出てしまったら生きては帰れないだろう"
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急いで帰らないと そう思い走り出したとき、私の目に信じられないものが映った。
なんと、いなくなったと思ったあの子が倒れているではないか! 駆け寄ってみるとどうやら気を失っているだけのようで安心する。
よかった無事だったみたいだ。
ほっとしたのも束の間、すぐそばにいるものに気がつき体が固まってしまう。
そいつは、私を見てニヤリと笑うと、ゆっくり近づいてきた。
逃げようと試みるも恐怖で動けない。
そして、ついに捕まってしまった。もうダメだと思ったその時、どこからか声が聞こえてきた。
「おい!大丈夫か!」
見ると、顔を隠した青年がいた。
どうやら、助けてくれたらしい。
私は礼を言いその場から離れようとした。しかし、腕を掴まれ止められる。
そして、その手を離すとこう告げられた。
「こっちにこい、安全な場所に連れて行ってやる」
私は言われるままについて行った。
すると、神社の中にある建物の中に案内された。
そこには、先程の青年の他にもう一人顔を隠した人がいて、部屋に入るとすぐに挨拶をしてきた。
「初めまして。僕は、この神社に住んでいる者です。よろしくお願いします。」
そう言うと、彼は握手を求めてきた。
私はそれに応え、握る。すると、何故か不思議な感覚に襲われた。まるで心の中を覗かれているようなそんな感じだった。
だが、すぐにその違和感はなくなった。
不思議に思っていると、彼が話しかけてくる。
「もう大丈夫ですよ。ここは安全です。ここにいれば何も怖いことはないし、それに……」
そう言って彼は、部屋の隅を見る。
そこには、先程見た化け物が苦しそうにもがきながらこちらの様子をうかがっていた。
彼は続けて話す。
「僕たちは、あなたの味方です。だから、どうか信じてください。」
私は、彼の目を見た。嘘はついていないようだ。
そう思った私は、彼らを信じることにした。
その後、私は二人と話をした。
なんでも、彼らは人間ではないらしく、妖怪という存在らしい。
そして、今日はここで泊まることになった。
「あの、ここへは私達しか来てませんか?
実はこの子の母親の行方がわからなくて」
私がまだ目覚めない少年を指して言うと、彼は少し困った様子になりながらも答えてくれる。
「はい。今のところはあなた方だけです。
心配ですね。あとで神社を確認してみます。」
「ありがとうございます。」
私は、彼らにお礼を言うと布団に入り眠りについた。
目が覚めると朝になっていた。
昨日の出来事が夢だったのではないかと不安になる。
でも、現実なのだと自分に言い聞かせた。
そして、身支度を整え外へ出る。
二人はまだ寝ているようだ。
起こさないように静かに行動する。
そして、外の様子を確認するとやはりいつもと同じ景色が広がっていた。
早く家に帰ろう。少年には、可哀相だが
学校があるし、きっと家族が心配している
少年のことはあの二人に任せて私は家に帰ることにした。
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