不思議なもの
私には、不思議なものが見える
妖怪とか幽霊とか、そんなもの。
でも、悪いものではない。いいこともあるから
あるときは、動く茶碗を助けたり、
あるときは、幽霊と仲のいい人と出会い仲良くなったりと
まあ、楽しいときを過ごせてる
でも、それは稀で危険なことの方が多い。
だから、私はいつも注意してる いつどこで、どんなことがおこるかわからないから
そして、今日もどこかで起こるだろう
その日、私は一人で散歩をしていた。
一人になりたいときは、いつもこうしている。
誰もいない静かな場所を探すためだ。すると、公園に一人の男の子がいた。
まだ幼い子供だった。
こんな時間にどうしたのかと思い声をかけることにした。
すると、その子は泣いていた。
話を聞くと、お母さんが家に帰ってこないらしい。
お父さんにも連絡がなく心配になった彼は家を出て探しに来たそうだ。
だが、探しても見つからず途方に暮れていたのだ。
事情を知った私は、一緒に探すことにした。
しかし、いくら探しても見つからない。
時間が経つにつれて焦りが強くなっていく。
それでも、必死になって探したが見つからなかった。
そうしているうちに辺りは暗くなり始めた。
もう時間がない……。
私は、最後の望みをかけてあの神社に行ってみることにした。
そこは、小さい頃よく遊んだ場所で思い出の場所。
そして、神隠しがおこると噂される場所。
もし、そこにいなかったらもう打つ手はない……
私たちは、走ってその場所に向かった。
息を切らせながらようやくついたそこは、やはり静かで人気はなかった。
やっぱりここにはいないのかと思ったそのとき、奥の方から人の気配を感じた。
急ぎ足でむかうととそこには……
顔を布で隠した青年がいた。
その青年はこちらにはきずいていないようだ。
ふと、きずく。
さっきまで後ろからついて来ていた足音が聞こえなくなっていたのだ。
後ろを振り返ると一緒にいたはずの子供の姿がなくなっている。
急いで周りを見渡してみるもその姿を見つけることはできなかった。やばい、はぐれてしまった
早く見つけないと、と思っていると、急に目の前にいた青年が苦しみだした。
苦しんでいる間ずっと何かブツブツと言っているようだったが聞き取ることができなかった。
そして、次の瞬間青白い光が放たれたと思うと、その場から消えてしまった。
何が起こったかわからなかった。
ただわかることは一つだけあった。
消えたのだ。
私は、すぐにあたりを探したがどこにもいなかった。
これは、あの子と母親がいなくなってしまったことと、関係があると思い
神社の中に入ってみた。
すると、そこには、顔を隠した青年の姿があった。
私は恐る恐る話しかけてみる。
「あなたは何者なの?」
すると、ゆっくりとこちらを振り向くと静かに言った。
「俺は、お前たちを助けたいだけだ」
そういうと、また光を放ち姿を消した。
しばらく呆然としていたが我に返り慌てて外に出てみると、夜になっていた。
まずい…
夜はあいつらの時間だ
面白ければ、ブックマーク、評価をよろしくお願いします。
小説を書く励みになります。