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「マイキー……。だって……あなた……。あの、私が滝壺に落ちかけた時、必死に私を助けようと……」
「飛び込んだよね」
マイキーは哀れなものを見る目をして、言った。
「僕が君を愛しているとでも思ったかい?」
もう、ノイチには言葉を発する力も残されていなかった。
ただマイキーが語る言葉を聞くことが出来るだけだ。
「君は世界の宝をその手にかけた極悪人だ。そんな君なんかをこの僕が愛するわけがないだろう」
何のことかわからなかった。ただ、聞いた。
「君の殺した君の夫……イヴァン・ポランスキー先輩は、世界を変えられるほどの才能だった」
マイキーは歯軋りをしながら、唾を吐くように言った。
「君なんかが殺していい相手じゃなかったんだ! 僕は君に罰を与えようと、時間をかけてこの計画を練っていたんだ!」
理解した。マイキーが滝壺に落ちかけたのを命に換えてでも助けようとしたのは、自分ではなかった。夫が作ったこの機械の身体……彼が愛していたのは、それだけだったのだ。
身体目当てだったのだ。




