表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/43

4話 『魔王城まで来たのはいいが」

 「なぁ、お前ってどれくらいの魔法が使えるんだ?」

 「はぁ? 魔法だと?」


 魔力を持っている者なら、誰でも魔法を使えることができる。

 魔法の属性は、火、水、風、土、雷、闇、光の七つの属性に分けられる。

 それ以外には、無属性魔法と言ってどの魔法にも属さないものがある。

 例を挙げれば、圧縮魔法や身体強化魔法などだ。

 ちなみに俺は、風魔法を使うのが得意だ。

 風魔法の詠唱を中心的に覚えたからな。

 そして、魔法は使用者の魔力量によって威力や効果などが変わる。

 例えば、火属性の魔法だと、火炎の矢(ファイアアロー)の場合、魔力量が少ない奴は木を貫通させることが出来るかどうかだが、相当な魔力を持っているやつだと、一つの町を破壊することが出来るほどの威力になる。

 それだけ魔法は、魔力量に影響されるのだ。


 「そんなの敵に教えるわけねぇだろ」

 「それもそうか」


 そしてしばらく、俺と魔族の間は沈黙が続いた。


 

 

 



 魔族の首に剣を突き当てながら、魔族が住む町の中を歩いていく。

 町は人が住む家と同じような作りになっていて、1階建ての家もあれば、2階建ての家もある。


 魔族は人間と外見はあまり変わりはなく、角や羽が生えているぐらいだ。

 さらに、その角や羽は自由に体内に隠すことができる。

 そのため、魔族の町の中を歩いているが、まるで人間の町にいるような気分だ。


 だが、それはあくまで気分だ。

 実際は魔族共の拠点にいるわけで、人間がいれば囲まれないわけがない。


 「おい人間。こんなことをして生きて帰れると思っているのか」


 1人の魔族が前に立ちはだかり、鋭く睨んでくる。

 

 数え切れないほどの魔族に囲まれた俺は、どう考えても不利な状況だ。

 だが、そんな状態でも俺は笑って答える。


 「いいや。死ぬだろうな。だけど、ここにいる奴ら全員道連れにするけどな」

 「子も女も殺すと言うのか!?」

 「子も女も関係ない。邪魔する奴は殺す。邪魔しないなら、殺さない。それだけだ」


 首に当てる剣の強さを少し上げて、周りにいる魔族に見せつける。

 

 「早く道を開けろ。でないと、こいつは死ぬことになる」

 

 俺の前に立っていた魔族は、しばらく考えた後舌打ちをすると、他の魔族に道を空けるように指示した。


 「話が早くて助かるよ」


 鋭い視線が四方八方から浴びさせられる中、俺は首に剣を当てたまま魔王城に進んでいった。


 





 魔族が住む町を抜けると、そこは大きな広場のようになっていて、何百人という数の魔族達が、剣や槍などの武器を持って整列していた。

 俺がここに来たことがもう伝わったのか。

 早いな。

 

 その魔族達とは他に、魔王城に入るために門の前に、5人の魔族がいた。


 他の奴らと雰囲気が違う。

 恐らく、こいつと同じで幹部達なのだろう。


 「おい人間。そいつを解放しろ」

 「するかよ。したら、速攻殺しにかかって来るだろ」

 「……目的は何だ」

 

 真ん中に立っている体つきのいい魔族の男は、俺の様子を伺いながら質問した。

 

 「魔王に会うことだ」

 「何だと……!」

 「クラティス様にお会いしたいとは……一体何を考えている」


 俺がそう言い放った直後、周りにいた魔族達は驚いた様子でザワザワし始めた。

 しかし、門の前に立つ魔族は一切動じずにいる。


 「貴様のような人間を、クラティス様に会わせるわけにはいかない。貴様はここで殺す」


 こいつら、何か企んでいやがるな。

 周りの魔族達は問題ないとして、あの幹部らしき奴らが、一体どれだけ強いのかわからない。

 とにかく、周りに意識して警戒を――。


 「頼むぜ」


 俺が人質にとっている魔族は、あの5体を見ながら頷くと、拳を握った。

 俺がそれに気付くのが遅れ、首に当てていた剣を弾き飛ばされた。


 「チッ!」

 「舌打ちしてる場合じゃないよ。人間君」


 門の前に立っていた女の魔族が姿を消し、俺の背後に回り込んできていた。

 すぐ目の前を見れば、さっきまで人質としてとっていた魔族はしゃがみ込んでいる。


 「闇よ、力を貸せ。闇の斬撃(ダークスラッシュ)


 俺の背後に回り込んだやつは、闇魔法を使って斬撃を飛ばしてくる。

 

 この距離で威力の高い斬撃、全く抵抗ができずに死んでいくだろう。

 俺でなければ。


 「あれ……? どこに行った?」

 「後ろだ。さっきとは真逆だな」

 

 


 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ