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1話 『聖剣使いは追放されるんだってよ』

 「なあ魔王、俺と手を組まないか?」

 「(わらわ)の配下を倒してここまで来たと思えば……手を組まないか、じゃと? 何が目的じゃ?」

 「俺がいなくなったらあの国がどうなるか教えてやるのさ。聖剣使いの俺を追放したことを後悔させてやる」

 「クックック。そうか。それは面白い。いいじゃろう。妾もお前と手を組もう」


 そして敵であるはずの魔王と聖剣使いは手を組んだ。

 魔王は王国を滅ぼすために。

 聖剣使いは王国に後悔させるために。


 


 






 「なんだよ話って……」


 いつものように【聖剣使い】としての仕事に向かおうと準備をしていたとき、俺はなぜか急に王に呼び出され、今丁度王宮に向かっているところだ。


 「まさかさらに仕事を増やされるわけじゃないよな……」


 俺の仕事は、この国ーヴァラグシア王国の防衛だ。

 例えば、王国の軍では対処しきれない魔物や魔獣の討伐や、他国や魔族が攻めてきたときなどが俺の出番だ。

 他にも、聖剣使いとしての仕事はたくさんあるのだが主に俺の仕事は今の二つだ。

 でも、俺は現在仕事が溜まってしまっている。だからこれ以上増やされたら本気で困るのだ。


 そんなことを考えながら、しばらく歩いていると目的地である王宮が近づいてきた。


 「止まれ」


 王宮に入るための橋を渡ろうとした時、俺は2人の傭兵に止められた。


 「俺は聖剣使いクリム・オーラだ。俺は王に呼ばれてここまで来た」


 俺がそう名乗ると2人の傭兵は顔を合わせた。


 「おい聞いたか。聖剣使いだとよ」

 「ああ、びっくりだぜ」


 なんだこの反応?いつもと反応が違うぞ。


 「なあ、俺がどうか……」

 「お待ちしておりましたぞ。クリム様。どうぞ王宮の中へ」


 俺が傭兵に聞こうとしたとき、王宮の中から歩いてでできた老人に話しかけられた。

 その老人の正体は王の秘書のドーブだ。

 でも、なんで秘書がわざわざ俺を出迎えに来るんだ?

 そんなに今日話される内容は重大なものなのか……?


 「わかった」


 俺は不安を胸に王宮へ足を進めた。


 





 

 王宮の中に入り、王がいるとされる部屋まで案内された。


 「でかい……」


 俺の目の前には、俺の身長の3倍はある木でできた扉が立ち塞がっていた。

 ドーブが扉に手をかけるとギィィィ、と音を立て大きな扉が開かれた。

 大きな扉の先の部屋は人が何百人も入れそうな広さがある。


 「王よ。ただ今聖剣使いを連れて参りました」

 「ご苦労」


 この国の王、フリュースは高いところから見下ろしながらそう言った。

 ムカつくな。

 俺は王の目が気に入らない。

 何もかも見下すような目。

 人を道具のようにしか見ていない目。

 俺はとにかくあの目が気に入らない。


 「おい、俺をなぜここに呼び出した。いつものように手紙で知らせればいいだろう?」


 俺は上を見上げそう言い放つ。


 「相変わらずだな。お前は」

 「黙れよ。もう一度聞くぞ。なぜ俺をここの呼び出したんだ」

 「そうか。お前はそんなに知りたいのか。じゃあ率直に言おう。聖剣使いはもうこの国にいらない。つまり追放だ」

 「は?なぜ俺が――」


 なんだ……何かが来る……!


 俺は背中に殺気を感じ、素早く後方に剣を抜いた。


 ガキィィン!!!


 「あれ?僕の攻撃を防ぐとは……流石聖剣使い」


 俺の剣とそいつの剣が、大きな音を立てぶつかり合った直後、さっきまで無人だった場所から声が聞こえた。

 さっきまでということは、当然今はその場所に人いるということだ。


 「お前は誰だ?」

 「さあ? 誰でしょう」


 俺から少し距離をとったスラッとした男は微笑を浮かべながらそう言った。


 「お前、相当な実力の持ち主……」


 また何か来る……!


 俺は反射的にそう思い素早く横に飛び跳ねる。

 直後、俺の立っていた場所は何十本にも及ぶ矢で埋め尽くされた。


 「あれ〜? 避けられちゃった〜?」


 どこだ!?


 俺は周囲を素早く見渡すがどこにも人の姿がない。


 「フフフ。まだ私のとこを見つけられないのかな?」

 「チッ!」


 何なんだよこいつらは!

 どう考えてもただもんじゃない!

 さらに俺のこと完全に殺しにかかってきてるだろ!

 ていうか、王のやつは何してんだよ!


 「おい! お前らは何者なんだ!」

 「お前の質問には答えない」

 「ッ!!!」


 さっきの二人とはまた別の奴の声が聞こえた瞬間、鎖の先に大型ナイフをつけた武器が俺の方に飛んできた。


 速い……!


 俺は右手に持っていた剣を構え、大型ナイフの攻撃を受け止める。


 重っ!


 「はは……! お前ら強すぎだろ。だがお前らが本気で俺のことを殺しに来るんだったら俺も本気でいかせてもらうぜ」


 まさかこんなところで“聖剣“の力を使わなくちゃいけないとはな……。


 「聖剣よ! 力を貸せ!」


 すると俺の持つ剣が眩しく輝き出した。


 「なんだその光は」

 「さあ、ここからが本番だ!」


 俺は聖剣使いしか使いこなすことが出来ない力を解放した。


 


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