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132話 世界観ブレイカー

別に文字数そんな気にするものでもないなって思ったので他と比較すると短いです。場合によってはこれからこのくらいで行くかもしれないです。


 エニグマからの依頼を終え、一仕事したとハンモックでゆっくりとしている平凡な昼下がり。

 提案してもらったローラースケートもまだ改善点があるとはいえ実用化段階まで開発が終わったし、そろそろ休憩しても文句は言われまい。


「……あとはゴムかー」


 ローラースケートのタイヤに必要な素材、ゴム。滑り止めや衝撃吸収といった役割を持つゴムをまだ取り付けていない。というか発見してない。

 以前ガスマスクを作ろうとしてゴムとプラスチックを探していた事があったが、結局見つからずにまた必要になってきた。

 プラスチックはバジトラ鉱山にいるアーマーアントやバトルアーマーアントの甲殻が近く、マレアの砂浜に遊びに行った時にあったパラソルにそれが使われているというのを最近知った。

 だが問題のゴムは見つかっていない。所持している中ではスライム系の素材が最も近いが、スライムの素材は水分が多いし弾性もゴムほどはないからちょっと違う。


【エニグマ:アイテムボックスに入れといた剣のゴーレム化頼む】


「えー、またぁ……?」


 唸っているとエニグマからまた依頼が来た。

 仕方ないかと呟きながらハンモックから降り、錬金ラボに設置してあるアイテムボックスへ向かう。



 ゴーレムについて、最近の研究と検証で分かった事が幾つかある。


 まず1番最初にゴーレムを作った時には行わなかったゴーレムへのスキル付与やステータスを弄る操作。

 スキルの付与は『構築』または『合成』を用いてスキルカードというアイテムとゴーレムを合わせるか、経験値を消費して一覧から取得させる方法の2通り。スキルカードはオーブを分解する事で手に入る。

 ステータス操作は経験値を消費して弄るしかない。増加させる値によって必要な経験値も変動するが、プレイヤーよりも少ない経験値で多くの値を増加させられる点においてはプレイヤーよりもゴーレムの方が強い。

 だがスキルの付与もステータスの操作も、コアとなる魔石の品質によって上限が決められている。


 次にゴーレムの状態について。

 ゴーレムには休眠状態と活性化状態がある。休眠状態の扱いはアイテムとして、活性化状態はモンスターとして認識される。

 休眠状態であれば、アイテムとしてインベントリに収納しておけるという事だ。逆に活性化状態を保持したまま取り出すとかはできない。当然といえば当然ではあるが。

 そしてもう1つあった状態が隠蔽状態。ゴーレム作製時に隠蔽をアクティブにする事で永続して発動する状態で、他人がゴーレムのステータスを閲覧する場合はアイテムステータスとして表示されるようになる。つまり、ゴーレムとしてのステータスはマスクデータとなって隠蔽されるのだ。

 隠蔽状態を解除する方法は『ゴーレム製作』か『分解』を使ってゴーレムの機能を停止し、分解すること。

 ちなみに、アイテムステータスとして表示されるステータス……例えば剣のゴーレムの攻撃力はゴーレムとしてステータスのSTRに依存して表示される。隠蔽したとはいえこちらが勝手に偽装するとかはできないらしい。



 エニグマから依頼されているゴーレム化は剣をゴーレムにするだけというもので、適当な魔石を使ってゴーレムにすれば終わりだ。入力方法や出力結果の設定、ステータスやスキルの付与なんかは必要ない。

 なんでも商談に使ってるらしい。刃こぼれなどが勝手に修復する剣は修理に出すのが面倒なプレイヤーに売れる、とか言っていた。ゴーレムの自動修復機能を利用した商売だ。

 最初に聞かされた時、商談よりも刃こぼれという現象が存在しているのに驚いた。現実的にはあって当然なのだが、ゲームだしないと思ってた。おそらく、戦闘をしなかったから刃こぼれも無くて気付かなかったんだろう。



「はい、終わりっと」


 アイテムボックスに投げ込んで納品完了。


 依頼関連で連想するのは、ここ数日でエニグマに作らされた武器の数々。

 高性能なコアでもステータス上限があるから、コアが1つだと出力が足りないって言って複数のゴーレムを合わせて1つの武器にする作業が何回もあった。面倒ではあったけど、設計図とエニグマの指示通りにゴーレムを作ってステータスとスキルの設定して組み立てただけだし、設計図を作ったエニグマの方が大変だったと思う。

 それで作られた武器はチェーンソーとか。それらは商談には使わないし外部に流さないと言っていたけど、エニグマなどを含め持った人と敵対しない事を祈るばかりだ。


 余談だが、ステータスとかスキルの設定を頑張ったせいで経験値の消費がヤバくてレベルが2くらいまで下がった。使ったスキルポイントとかも没収されて錬金術のレベルも下がってたけど、1度取得したアビリティは消えないみたいで残ってたのが幸いだった。


「はー……」


 思い返してたらなんか疲れた。

 今後やる事は割とある。サスティクの特殊マップにいたネクロについても調べたいし、一応完成しているとはいえローラースケートなどのゴーレムの改良もしなきゃいけない。あとレベルも戻さないと。


「散歩でも行こっと」


 気分転換は大事だと思う。

 そんな訳でクランハウスから出て靴の装備をローラースケートに変更し、街中を適当に散策する。



 僕が考える改良というのは2点、効率化と欲しい機能の追加。


 効率化の観点から言うと、今1番欲しいのはタイヤを収納する機能。使わない時は普通の靴として使えるようにしたい。毎回履き替えるのは面倒だし。

 あとはゴーレムだからと僕が動かさなくてもタイヤが動いて進む、自動車みたいな感じになっているがここも改善できなくはない。靴を1つのゴーレムとして作ったが、エニグマに頼まれて武器を作った時と同じようにパーツ毎にゴーレムを作り、それを組み合わせるというのもありだ。そっちの方が出力は大きくなる。


 欲しい機能はこれといって無いが、あらゆる場所を走行できるようにしたい。

 今走れるのは整備された道と多少凹凸などがある道程度。ジャンプとかをするとバランスを崩しやすいのでそれをカバーできるスキルを探すか、僕の体幹を鍛えるしかない。

 VRゲーム内で体幹が鍛えられるのかは分からないし、現実で鍛えてもVRゲームで反映されるのかは分からない。悩ましいところだ。


「あとは僕の武器も作らないとなー……」


 最近はやる事が尽きない。


強化パッチその2と弱体化パッチ

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― 新着の感想 ―
[一言] え、じゃあレベル10ぐらい下がったってこと? どんだけつくったの
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