動く石像 BADルート
[商人に合わず作戦会議もしなかった場合]
「おい、グレイ、ミラ、あれは一体全体なんだっていうんだ!!」
「ちくしょう!まるでこっちにテレポートしてるみたいだ。」
「弓で攻撃してもまるで効いた様子がないわ。呪文を試してみる。」
「わかった!突貫するからグレイ!サポートを頼む。」
「承知した!」
俺が奴に突っ込みグレイが側面に回る。
奴は困惑したように所々テレポートしているようだがいったい何をしたいのか皆目見当もつかない。
ミラが放つファイアボールが直撃したと同時に奴に1発お見舞いする。グレイも合わせてくれたようだ。大剣とメイスがぶっ刺さる。がしかし慌てて距離をとる
おい、ビクともしないじゃないか!
と瞬きをした瞬間に奴は瞬間的にグレイに近づき
「ゴキィッ!!」
と嫌な音が木霊した。
まさかと奴に瞠目した。
どさりとした音が聞こえ、グレイの驚愕した顔がこちらを向いていた。
グレイの背中が見えるのに顔がこちらを….
怒りがふつふつと湧き上がる。
BAD Aルート
俺は目の前が真っ赤になった。奴は見られてる間は動けないと本能的に察知し奴に突貫した。
話は簡単だ。奴が倒れるまで、そう、見続ければいい。
ひたすらメイスを振りかざし叩きつけた。石が削れる。ありったけの力を込めて叩き続ける。
奴は何も感じてないように見えるが少しずつ。少しずつ顔面が崩壊していく。
咆哮しながら叩きつけると右目に石のカケラが刺さってしまった。
思わず反射的に片目を塞いでしまうがまだだ!まだ俺は….
瞬間奴は目の前から消えた。
どこだ!どこに….俺は察知した。右側から強大な気配を感じ
首に何か冷たいものに掴まれたと思ったら….
「ゴキィッ!!!」
この世の終わりの音が聞こえた。
BAD Bルート
俺は目の前が真っ赤になった。
しかし今は何もできない。決定打を与えることもできない。
瞬きをする瞬間に奴はこっちに向かってくる。そうか。奴は見られてる間は動けないのか。
しかし二人だ。戦ってる間に二人が同時に瞬きしたら殺られる。呪文詠唱中は集中する必要もあり目を閉じなくてはならないこともあるだろう。弓は通用しそうにない。
「ミラ、頼む。落ち着いてくれ。落ち着いて、奴を見てくれ。あいつは見られてる間は動くことができない。いいか、要点を押さえて言うからよく聞いてくれ。」
「わ、わかったわ。」
「今の俺たちには奴に決定打を与えることができない。奴は見られいる間は動けない。だが二人で攻撃しながらだといつかは奴に殺される。ミラは20分間瞬きせずにいられるか?」
「無理ね。」
「一度瞬きをしていいぞ。….一度体制を立て直そう。この情報を持ち帰るんだ。グレイには本当に申し訳ないが…」
「リーダー、一度立て直すことも大事よ。次、必ず奴を仕留めましょう。」
撤退をしよう。
そう決め、俺たち二人は後退りながら….ミラが背後を振り返った。
「まさか、リーダー。.....大きな虎が現れたわ」
「なんでこんな時に….」
こやしでも持って来れば….後悔後に立たずという言葉が頭に浮かび
ミラの悲鳴を最後に目の前が暗闇に落ちた。
SCP-173
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