第9話 村を目指そう
明日も、投稿します。
「うう、記憶……俺の名前」
「無くしたなら、村の命名氏に付けてもらいましょう」
命名氏とは、その名のとおり名前を付ける人の事らしい。
そしてなんとこの世界では、名前でステータスが変化するらしい。
「因みにカンナには、丈夫な子に育つって意味があるらしいわ」
「丈夫過ぎんだろ!」
でもいいこと聞いたぞ。
名前1つで強くなるなんて、殴られるよりずっと楽じゃないか。
寝よう、そして急ごう。
俺はカンナに、お休みのキスをした。
普通に殴られた。
そして、夜が明けた。
「朝よ、出発しましょ」
――ズゴン
モーニングコールならぬ、モーニングパンチが飛んできた。
村に向かっている道中で、分かった事がいくつかある。
まず、魔力は時間経過で回復するという事。
眠るだけだと、回復しないらしい。
もう1つは、カンナが使うオーラパワーについて。
自身の生命力を、戦闘力に変換する技らしい。
全身を強化すると消耗が激しすぎるので、拳や足、指先など、必要な部位に必要な出力で発動させるのが基本らしい。
最後に、俺の特殊能力について。
物理ダメージだけでなく、精神的ダメージも経験値になるらしい。
誤ってモンスターの、黒くて長い落とし物を踏んで新技を覚えたからだ。
【空中歩行】、地面から2センチ浮ける技だってさ。
そんなこんなで、明日には村につくそうだ。
カンナは体調がすぐれない様子で、夕飯の直後に横になった。
無理もない、竜に襲われ、骨を折られ、腕まで失ってるんだからな。
……休もう、じっくり休めば魔力の回復が早まるかもしれない。
う? カンナか? 何で俺の腰の上に乗ってるんだ。
閉じていた眼を開くと、頬を上気させたカンナがいた。
「ねえ……していい」
「……何を?」
「とおぉっても、気持ちいい事」
「どうぞ、よろこんで(イケボ)」
俺は、流れに身を任せることにした。
エロ本で得た知識など、現実では役に立たないことを知っているからだ。
さあ来いカンナ! お前のすべてを受け止めてやる!
――メキャァァ
……ですよねぇ~。
「あ~あ~いいわぁ~、ずっと我慢してたから、すっごっくいいわぁ~」
彼女の体調不良は怪我のせいではなく、拳を振るえなかったせいらしい。
流石に知り合いを全力で殴る事には、ためらいを持っていたようだ。
俺は、彼女の気が済むまで、マウントポジションで殴られ続けた。




