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第36話 魔王討伐の一歩目

「ぶやっひゃっひゃっひゃ、傑作だよあんた!」

「笑い事じゃないですよ!」

「「「そうだ、そうだー!」」」


 ギルド内にテニシラさんの笑い声と、男性陣のブーイングが響き渡った。

 昨晩、俺とカンナは大人の階段を上る……予定だった。途中までは完ぺきだった、カンナが俺に跨ったとき俺の股間の紳士をへし折るまでは。

 そこまではよかった、怪我なんていくらでも治せるからな。さあ仕切り直しと思ったら、カンナのよくないスイッチが入ったようで、そこからは違う意味でお互いに体をぶつけあうはめになった。俺の方も少し力が入りすぎていたようで、カンナは足腰が立たない状態で今も休んでいる。


「はぁ、骨折り損のくたびれ儲けですよ、ホント」

「折れたのは骨じゃなくて、チ〇コだけどな」


 ツボに入ったのか、今度は男性陣も含めて大爆笑だった。

 爆笑していたみんなを不思議そうな顔で見ながら、マスターが奥の部屋から現れた。何か資料の様な物を、小脇に抱えているようだ。


「ん、うんっ、都合よくみんな集まってるようだし、連絡事項を伝えるぞ。見回りをしていた騎士団が、魔族の痕跡を見つけたらしい。特に脅威となるレベルではないようだが、魔族は魔族、各自身の安全はしっかり守るように――以上!」


 そう言い残すと、建設途中のレストランの様子を見に出て行った。


 魔族……遠い闇の大地に拠点を持つ魔王の手下達の総称、いつかは戦ったりするんだろうな~、なんて結構のん気に構えてたけど、こんなに早く出てくるなんて。

 やだな~、今は襲ってこないでほしいな~。


「特訓、しかないわね」

「カンナ! もう平気なのか?」

「魔族を倒したら騎士にしてもらえるのよ、絶対仕留めないと」


 やる気だね~。んじゃ、俺もちょっくら付き合いますか。

 本当なら、もうちょっとカネを稼いで、装備を揃えてから戦闘スキルについては考えるつもりだったけど、せめて魔族に勝てないまでも逃げられる程度にはなっておかないとな。

 それに、俺も結構強くなった。今なら、ラッキースケベを狙って起こせるかも。


「よしカンナ、そうと決まれば特訓だ!」

「……なんかニヤついてるけど、まあいいわ」

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