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第21話 続・オーラ使いの倒し方講座

連続投稿、最後の一本。

「へいへいへい、耳を引きちぎってやろうか、それとも爪をもいでやろうか」

「ふざけるなよ小僧ぁぁぁ!」

「今だ! 叩き込め!」


 流石は強者、俺の意図を察して、ダグラスが後ろから攻撃を仕掛けた。彼の武器は斧らしいが、破損したため今はこん棒を装備している。装備が万全だったら、今の一撃で勝負ありだったろう。

 さらに俺の追撃、タオルを足に引っ掛けて思いっきり引っ張る! 奴はこける。よし、そのまま手足を縛り上げてやる。


「よーしみんなで袋叩きだ―」 ――ゲシゲシゲシ

「…………おい、死んだぞ、お前」


 ゴンザレスの全身がカッと輝き、拘束をたやすく振りほどいた。

 奴の剛腕が、俺に牙を向いた。

 枕を盾にし、【空中歩行】を発動させ衝撃を後ろに流し、ニダリ―がっとっさに支援してくれたおかげで、俺は致命傷を負わずに済んだ。盾にした枕と右腕は、跡形もなく消し飛んでいた。


 へへへ、待ってたんだ、こうなるのを。

 周りを囲まれて、四方八方から攻撃され続ければ、誰だってこう考えるだろう。

 全身を、オーラで守ればいいと。


 こうなったオーラ使いは、まさに無敵。星をゲットした配管工のように、周り全てを蹴散らしながら目的地に向かって真っすぐに飛んでいくだろう。

 ただし、無敵時間には必ず限りがある。そして、時間制限を迎えれば、そいつの戦闘力は著しく低下するんだ。なにせ、オーラの出所は生命力なんだからな。


「殺す殺す殺す殺す―――――」

「奴を彼のところに行かせるな!」

「どおぉぉぉりゃっさァァァァァァ!!!」


 勇者一行が、ゴンザレスのダブルラリアットに巻き込まれた。

 あちゃー、ありゃしばらく動けないな。おかげで無敵時間が終わり、奴を戦闘不能に出来たわけだが。あれ? ゴンザレスさん? 動けるんですかそうですか、俺にとどめを刺しに来ますか。

 

「卑怯者卑怯者卑怯者卑怯者ォォォ! 大勢で囲むわ、目つぶしするわ、背後から攻撃するわ、貴様には正々堂々という「今だカンナ、やっちまえ!」」


 ゴンザレスの表情がこわばり、後ろを振り返った。そこには、傷を癒し立ち上がったカンナの姿は無かった。そして俺は、たこ焼きと串焼きを取り出した。


「【エクスプロージョン(料理)】」

 こいつはさっき、エミリアが作った特製たこ焼きだ。しかも小麦粉の量を増量し、威力を高めてある。

 串焼きの方は、俺以外が狙われた時の移動用のつもりだったが……おまけでくれてやる!


「か、かかか、か……ごっ――――」

 

 ゴンザレスは、肺から空気を吐き出し動かなくなった。

 へへ、俺達の勝ち……だ。

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