第20話 オーラ使いの倒し方講座
続きは、夜に投稿予定です。
「あー、遅いぞ、勇者に、ダグラス、ニダリ―」
「やはり君だったのか、俺達を追い抜いて行ったのは」
さーてと、役者はそろった。こっちはカンナを除いて4人、あっちは1人、負ける要素なんてみじんもないぜ。
「うぎゃぁぁぁ、く、この男思ったより強い! くそっ、さっきのゴブリン戦で体力が奪われていなければ、負ける要素なんてみじんもないのに!」
「さっき、武器を破損していなければ……」
「魔力を消費していなければ……」
勇者一行が、俺の期待を打ち砕いた瞬間だった。
何でだよ! こいつらもこっちに向かってたから、戦力的には絶対大丈夫だと思ってたのに! どうすんだよ、俺らが負けたら近隣住人皆殺しだぞ、多分。
「ぐはっ! 見てないで回復してくれー!」
「すまん、俺もカンナの回復でガス欠だ」
「「「この役立たずが―!」」」
すんませぇぇぇん! まじでさぁぁぁせんでしたぁぁぁ! あれ? ゴンザレスの雰囲気が変わった……あれはオーラだ、それもカンナの倍の密度の。あいつ、今まで本気じゃなかったのか!
「どけどけぇぇ! 正義は必ず勝つのだぁぁぁ!」
「ダグラス、ニダリ―残った魔力で支援魔法を!」
「「了解!」」
2人の支援を受け取り、ゴンザレスの本気になんとか食らいついた我らが勇者様。ただそれも、体力的、魔力的問題で長くはもちそうにない。
そうだ、俺のかばんの中に使えそうなものがあったかも。
タオル×3、いびつなたこ焼き1皿、カンナのパンツ×5、適当に刺さった串焼き5本、カンナの胸当て×5、普通の枕×1、カンナの衣装(上下)……以上。
「立てるかカンナ、着替え持ってきたから、使ってくれ」
「座るのもつらい……ありがとう、後で覚えてなさいよ(殺)」
「ひぃっ、分かっております」
さてと、切り札もみつかった事ですし、俺も参加しますか。
「へい、ゴンザレス、くらえ【すなかけ】」
「な!? 目が、前が!?」
「【膝カックン】か~ら~の~【カンチョー】!」
「「「な、なんて馬鹿馬鹿しくて効果的な攻撃なんだ!?」」」
オーラ使いの基本は、必要な時必要なだけ力を発揮する事。だから、普段意識していない方法で攻撃すれば、ダメージを与える事は十分に可能だ。
さあ、いつまで耐えられるかな、俺の変則攻撃に。




