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開かないドア

作者: 出島優

「またあるな、ああいうの。」

図書館なり会社のビルなどで、「こちらの出入り口は閉鎖されてます。」という張り紙がしてあるドアを見たことはないだろうか。あのドアの存在意義とはなんだろうか?ドアとしてこの世に生を、まあ生物じゃあないんだろうけど、受けたからにはやはりその役割を全うするべきだろうというのが俺の意見な訳だ。


頭のいいヤツは、「物事に意味なんてない。もしあるっていうなら、人間の意味ってなんだ?食物連鎖なんて随分前に離脱したし、この世界に有益なことをするわけでもないぞ。」って言うんだろう。それは間違っちゃいない。でも、たとえ俺たち自身の意味がわからなくても、俺たちが意味づけしたものの意味くらいはわかるだろう?

包丁は食材を切る。ストーブは部屋を暖める。ドアは建物との出入りを可能にする。言葉は思いを伝える。身勝手と言われても、傲慢と言われても、これは俺とそっくりのヤツらが何千年もかけて作ってきて、今の俺たちが紡いでいくものだ。俺は、この「意味づけ」を誇りに思う。


というわけで、今日行った図書館にあった張り紙のしてあるドアを開けてみた。割とあっさり開いた。鍵を借りてきたんだから、当然っちゃ当然だけど。


ドアの先には、普通に図書館の外の庭だった。けど人がほとんどいない。ただ一人だけ、俺と同い年くらいに見える男がケータイをいじっている。


「こんにちは。」

「うおっ どうもこんにちは。あれ?どこから来たんですか?」

「いや、そこのドアから。張り紙してあったんすけど、係員さんに話したら普通に鍵借りれました。」

「なるほど。なかなかの行動力ですねえ。」

「たまーに言われますね。変なことばっかやるよなって。」

「いやー、人生ってそうあるべきものでしょう。サブイベント無視したらあっという間に終わっちゃいますし。」

「そう言っていただけるとありがたいっすね。…ところであなたはここで何を?」

「いやぁ、そこのあなたが出てきたドアを見てね、あのドアの意味ってなんだろうって思って、それをテーマに小説でも書こうかと。」

「へぇーおもしろそうですね。書き終わったら読ませてくださいよ。」

「ええ、まあ私も素人ですしね。きっと読む意味なんてないものですけども。」

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