表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あの日の約束  作者: ウチダカツヤ
再会
60/75

荒い息遣い

そして啜り泣く声





 おねえちゃん…?





声がする方に歩いていく

そこから見えたものは太く大きな柱と

萎れた花が入ったままの花瓶、古い壁掛時計

そして…ゆらゆら揺れる男と涙を流す長い黒髪の少女


あぁ、そうだ

俺はあの時この場所で見てしまったんだ

姉貴が、親父に……


ボーーー…ン



!!!?

突然の重々しい音に我に返り辺りの暗闇を見渡す。



ボーーー…ン



部屋の闇の中にぼんやりと見える壁掛時計が鳴って…いる?



ボーーー…ン… ボーーー…ン



まるでこの時を待っていたかのように厳かに。

 


ボーーー…ン



携帯で時刻を確かめるとちょうど深夜0時になったところだった。


「な…どうし…て……?」


十数年使われていない家に掛けたままになっていた時計が動くことなどありえない。

少なくとも昼間は全く動いていなかったはずだ。



ピピピピピ…



壁掛時計が12回目、最後の声をあげたその時呼応するように俺の携帯が鳴り始めた。



ピピピピピ…ピピピピピピ…


《通知不可能》



「……………。」


携帯は俺が出ることを急かすように鳴り続ける。

出なければ、きっと悪夢は終わらない。

俺は深呼吸をして《通話》を押した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ