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⑤
ぐにゃり。
「アァァ…ウグッアァア!!」
「俊介!!どうしたの、俊介?!」
頭を抱え、のたうち回る俺に手を差し伸べる母親の顔さえ部屋の光景と共に歪む。
全身まで…痺れて………
ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…
歪んだ空間からゆっくり揺れる影が見える
ヤメロ…
ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…
耳障りな、荒い息遣い
「やめ…やめろぉぉ!ヴゥア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」
ゆらゆら揺れる影に無我夢中で突っ込む
ドン!バリバリバリ…
部屋の境目にある襖を体当たりで突き破った。
しかし影は俺の目の前をすり抜け歪む『あの部屋』をノロノロと移動していく。
「ャメ…ア゛ァ゛ァ゛ア゛……」
カランッ
何かを蹴飛ばしたその時急に足をとられ
ベチン!!
顔面から派手に転んだ。




