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第四話   この妖精さん達と折り合いを付けるなら?

 やっと他の人物を出せました、まあ厳密にいえば人ではないのですが。

 前回のあらすじ、この物語はファンタジーでした。まぁ変な空間に閉じ込められた時点で、十分に非現実的だったんですけどね。




 飲み水確保の為ゲーム機にて検索を開始したが、意外な項目が出てしまい動揺してしまった。しかしもう落ち着きました、もう大丈夫です、まだ慌てる様な時間じゃない。


 そう考えながら問題の項目を再確認する。




≪ 水妖精(下位) (自然/生物) コスト:300 ≫




 これは製作者側の誤字だろうか、本来は幼生とか書きたかったという落ちは無いだろうか。妖精を呼ぶ為に必要なコストが300というのも微妙な所だ、本当に存在するのなら川よりも貴重だと思うのだが。先ほど大失敗した手前、念には念を入れて警戒しなければ。


 こんな時こそ新機能、川の時に発見した詳細説明を試してみたいのだが、どうやら実物が目の前に存在しないと機能してくれないようだ。本当に意地が悪いなこの機械。

 

 しかし、実はそう悩んでもいられない状況である。なぜなら、この川を綺麗にする方法で該当した項目がこの妖精さん以外に無いのである。つまりこの状況、飲み水確保の為には否応無しにコレを呼び出さねばならないという事だ。



 何れ相対さねばならぬ相手、往生際の悪い真似は止めてさっさと呼び出してしまおう。



 半ば諦めたような心境で、件の妖精とやらを召喚する。大丈夫だとは思うが念の為、ベッドの影に隠れゲーム機の起動を待つことにした。


 ゲーム機から放たれた光が川の中を射す。



「……(ぱしゃ)」



 数秒の沈黙の後、ひょこりと何かが顔を出す。




 それは小さく、人型のぬいぐるみの様な出で立ちで、ここは何処なのかを確認するようにキョロキョロと首を振っていた。コレが妖精なのだろうか。


 しかし、これは、なんというか……



「かわえぇ~」



 うん、可愛い。思わず声に出してしまう位に。


 身体は驚くほど真っ青だが、不自然な所は感じられない。青色で見事に配色されたその身体は滑らかで、人形などでは有り得ない質感が見て取れた。その姿に見入りながらも、詳細の項目を表示させてみた。



≪ 水妖精(下位)(自然/生物) コスト:300 ≫

 ・詳細:綺麗な水の中で生息する自然霊、知能は有るが自由奔放、言う事を聞かない。

 ・効力:環境の快適化  ※ 自然種は特定の環境でしか生息できない

 ・生産:エネルギー還元 75 



 環境の快適化、どうやらこの効力が今回の検索に引っかかった様だ。


 この妖精と言う存在は、自らが住まう土地をより良い状態に保つ習性を持っているようだ。この妖精さんも生物である以上、自らが生き残る為に必要な技術を持っているという事なのだろう。


 などと考察をしていたその時、観察対象であった妖精さんと目が有った。



「……っ、やぁ、元気?」



 何かしら反応せねばと思い、とりあえず笑いかけてみる。とっさの行動だったので、引き攣っていたかもしれない。とりあえず表情を保ったまま、相手の反応を待つ。



「……(さぶん)」



 ……無視された揚句、隠れてしまいました。こちらが一方的に呼び出したとはいえ、この対応は地味に傷つくな。まぁ詳細の欄にも言う事を聞かないと書いてあったので、妖精達とのコミュニケーションはかなり難しいのだろう。



「しかし、妖精かぁ」



 本当に訳が分からない場所である。


 この謎空間や四次元ゲーム機の所為もあり、もっと科学的な展開を考えていたのだが、まさか神話系の要素が含まれてくるとは。頭に“水”と付いているし、他にも何匹かいるのだろうか。



「“妖精”で検索」



 気になったのでとりあえず検索を開始、今回ヒットしたのがこの9件である。




≪   名称  (品種1/品種2) 消費コスト  ≫

================================================

≪ 木妖精(下位)(自然/生物) コスト:200 ≫

≪ 火妖精(下位)(自然/生物) コスト:300 ≫

≪ 土妖精(下位)(自然/生物) コスト:300 ≫

≪ 水妖精(下位)(自然/生物) コスト:300 ≫

≪ 風妖精(下位)(自然/生物) コスト:300 ≫

≪ 雷妖精(下位)(自然/生物) コスト:400 ≫

≪ 氷妖精(下位)(自然/生物) コスト:400 ≫

≪ 光妖精(下位)(自然/生物) コスト:500 ≫

≪ 闇妖精(下位)(自然/生物) コスト:500 ≫




 火とか土は予測できたが、木とか雷なんかも有るのか。値段が同じではないのも少し意外だ、光と闇が高いのは何となく解るが、木が安いのは何故だろうか。というか何故に下位だけ?

 


「……もう一匹出してみるか?」



 先ほどの個体を見る限り、悪意や敵意といったものは感じられない。効力もどちらかと言えばこちらに有益、呼び出して損をする事はほぼ無いだろう。


 決して、決して他の妖精さんにも会ってみたいとか、即物的な考えなんかでは有りません。この切羽詰まっている状況で、可愛い妖精さんに会いたいからってそんなことするわけ無いじゃないですか。



「さて、“木妖精”を召喚」



 自分で解るほど良い笑顔をしながら、迷わず一番上の項目をクリックした。選んだ理由?勿論、安いからです。



 いつもの稼働音も成り止み私の眼前に光が差す。そこに現れたのは私の踝くらいの背丈をした人型の生物、なんというか妖精と言うよりは小人の方がしっくりくる出で立ちである。しかし、この妖精も可愛いなぁ。



 そうして召喚された木の妖精は、私を目の前にしながら逃げるでも隠れるでもなく、盛大にその場へ突っ伏した。




「……はぁ?」




 予想外の行動に呆気に取られながら、前のめりに倒れている妖精の身体を揺する。返事も反応も無い、どうにも嫌な予感がしたので直ぐに詳細説明を起動させる。




≪ 木妖精(下位)(自然/生物) コスト:200 ≫

 ・詳細:雄大な木の下で生息する自然霊、知能は有るが自由奔放、言う事を聞かない。

 ・効力:環境の快適化  ※ 自然種は特定の環境でしか生息できない

 ・生産:エネルギー還元 42/50 




「エネルギー還元が42/50!?」




 減っている。



 何故だ、元から弱っている妖精を召喚したのか、それともここに呼び出した事が妖精に悪影響を与えているのか、こうなった原因を探るため。木妖精の現状と表示された詳細に目を配らせる。


 そしてようやく大切な項目に気が付いた。




≪自然種は特定の環境でしか生息できない≫




 そう思考している間にも、生産の数値は39にまで降下していた。このまま0になったら如何なるか、そんなもの直ぐに想像が付く。


 私がよく確認せずに呼び出して、その結果がこの様だ。この妖精は私の身勝手で召喚した挙句、訳が割らぬまま死を迎えようとしているのだ。しかも今回はよく見れば事前に気付くとも出来た、自分の迂闊さに思わず頭を抱えた。



 観察の為に一方的に呼び出して、相手への知識が無かった故に危険を強いている。なんだこれは、これでは私も、私を此処に呼び出したどっかの馬鹿と大差無いではないか。



「そんなこと認められるか!“妖精 治療” “妖精 生息” “妖精 強化”各項目ごとに検索!!」



 叫ぶと同時に、全力で解決策を探しにかかる。これは私の不注意が招いた結果だ、この妖精は私の手で救わなければならない。三つの項目で検索を開始したゲーム機が唸りを上げ、“妖精 強化”での検索が1件だけヒットした。


 多少安堵したが、その項目をみて一瞬動きが止まる。




≪ 魔壊樹    (自然/植物) コスト:5000≫




 コストが多過ぎる。



 これを呼び出せば残りのエネルギーは約3000、下手をすると私の方が詰みかねない。激しく動揺したその時、ふと木妖精の詳細欄が目にはいる。残りのエネルギーは1ケタを切っていた。





「っ、そんなの知るか!!“魔壊樹”を召喚!!!」





 直情的に召喚を決定したその瞬間、ゲーム機から嘗て無い量の光が放出される。河川の召喚した時よりも膨大なそれは、凄まじい速さで何かを築き上げていた。






 そこに現れたのは一本の大木、いや、悠然と大地に根を張る大樹であった。





≪ 魔壊樹    (自然/植物) コスト:5000≫

 ・詳細:世界最大の大樹、周囲から大量の魔素を吸収し、何処までも雄大に育つ。

 ・効力:魔素吸引/魔術破壊/魔力放出/魔晶生成

 ・生産:エネルギー還元 1250 








 前回迂闊にも河川出したくせに、また勢いで色々召喚してしまった柾さん。ダメだこの人、早く何とかしないと。次回、大自然の意思がスケットに入ります。

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