第三話 この度の食事にドリンクを付けるなら?
そういえばこの話、まだ一日も経って無いですね。濃い一日過ごしてるなぁ。
前回のあらすじ、朝食は昼飯になりました。時間は掛かってしまったが、とりあえず食事に有り付く事が出来きた。始めてゲーム機を活用したことで、新たに解った事も幾つかある。現在は食休みを踏まえ、現状の再確認をしている。
因みに、この食事の為に呼び出し道具たちは以下の通りである。
≪食品≫
ワイルドエッグ×2・・・・・・・コスト2
リトルベリー×3・・・・・・・・コスト6
岩塩(小)×1・・・・・・・・・コスト3
≪備品≫
鉄板(小)×1・・・・・・・・・コスト5
薪×10 ・・・・・・・・・・・・コスト10
石(大)×4・・・・・・・・・・コスト12
火付け石×2・・・・・・・・・・コスト4
≪自然≫
河川(清流)×1 ・・・・・・・・コスト1000
総消費1042
残存エネルギー8958/10000
うん、おかしい項目があるのは解っているのですが、順番に説明させて頂きたい。
まずはワイルドエッグ、こちらは依然確認した通り普通の卵である。目玉焼きにしてみたが中身も普通、黄身が青かったりはしなかった。逆にどの辺がワイルドなのかを確認したいものだ。因みに料理するのに油もほしかったのだが、リストアップされた物が明らかに食用では無かったので今回は断念した。
リトルベリーは見た目野苺、味は予想より酸っぱめだったが普通においしく食べられた。初めての味に感心して三つも食べてしまったのは、今では失敗だったと思っている。
岩塩(小)は手に載るくらいのサイズ、私一人分ならこれだけでも一ヵ月くらいは使えるだろう。塩の摂取は人に不可欠、昔から法律で取り締まっているくらい大切なものだ。
次は道具系統、まず鉄板(小)について説明をする。これは卵料理を作る際にフライパンの検索をしたのだが、いくら探してもその項目は出てこず、妥協案として鉄板焼きを思い付きコイツを取り出した。サイズも家庭用ホットプレートくらいでちょうど良く、まさに功を奏した形だ。ただ、油が無かった為、少し焦げてしまった事はご愛敬である。
その鉄板を四つの石(大)の上に置き、下に薪を入れれば簡易竈の完成である。薪は太めの枝くらいのサイズで、箸の代用として使おうと今回は多めに用意している。
最後に火付け石、これはニュアンス的にも火打石の事だろう。こんな旧世代の産物よりもっと良い物があるだろうと奮闘してみたが、結局見当たらずコイツに頼るはめになった。二つ無いと火を付けられないのは腹立たしいが、初心者が一発で着火できたのはうれしい誤算だ。
さて、一通りの説明も終わったので本題に入ろう、まず言い訳をさせてください。すみません、あれは不幸な事故だったんです。
あれは食事中、卵の焦げた部分を盛大に飲み込んでしまい、あまりの気分の悪さにゲーム機にて即座に“綺麗な水”の検索を開始した事から始まる。出てきた項目の一番上をよく確認せずクリック、これは今までの傾向から、一番上に有るのが最も低コストで有ると分かっていたからこその行動である。
ここで横着をせず、しっかり確認すればよかったのだが、最早後の祭り。
いつもの異常な稼働音を鳴らした後、ゲーム機から光が放たれる。ただいつもと違い、放出する光の量とそれを続ける時間が圧倒的に多かった。
多少の不安を覚えた後、目の前に出てきたものがコレである。
≪ 河川(清流) (自然/水源) コスト:1000≫
・詳細:人が飲めるほど綺麗な水、綺麗過ぎて生物は住み難く、環境に影響され易い。
・効力:飲用水の採取 ※(水源)は周囲の環境により性質が変化します
・生産:エネルギー還元 250
なんという事でしょう、あの何も無かった草原に、今では流水が囁く美しい河川が築かれていた。ついでに説明すると、詳細などの項目は「何これぇ」とつぶやいた結果、空中に表示されました。相変わらずの呆れた高性能ぶりである。
本当に申し訳ございません、いくらなんでも川が出来るとは思わなかったんです。因みに川の水はワタクシが美味しく頂きました、マジで美味しかったです。結果的に焚火の始末や鉄板等の洗浄にも一役買ったので実は余り後悔していません。ただ猛反はしています。
「油断した、まさか水一つで此処までの大事になるとは……」
ため息混じりにそうボヤキながら、食事をする過程で知った余り知りたく無かった事実を思い返す。
まず第一に、今回食事等を用意してくれたゲーム機は、人為的に加工されたものはほぼ出してくれないという事だ、例えるなら今回用意できなかったフライパン、ライター等が該当する。川の件も、自然に存在する綺麗な水という事で一千に値する河川が一番上に表示されたのだ。便利なようで実に意地の悪い機械である。
そしてもう一つ。
「正直これが一番不安だ」
エネルギーとやらが私の現在の総資源なのだが、三行文に有った説明と残存数値などを見せられた事を鑑みるに、やっぱり有限だったらしい。現在の残存量はまだまだ多いが、これから先を考えると増やしていく方法も考えておいた方がよさそうだ。エネルギーの供給源を確保すれば気兼ねなく道具も増やせるし、この空間を調べることにも繋がりそうだ。
ただ供給源の目星は付いている、今回新たに確認できた情報表示、そこに現れた生産の項目だ。エネルギー還元と記載されている事から、恐らくこの河川をエネルギーに戻し再利用する事が出来るのだろう。ただ創る時の数値と比べると、四分の一にまで下ってしまうのが現在の難点だ。よってこの川を消すのは不味い、今考えるべきは……
「この川でいったい何をするか」
である。
例えるなら川の流れを動力にする水車の如く、この川を利用し更なるエネルギーを生み出さねばなるまい。せっかく使った1000エネルギーを無駄にする訳には行かない、必然的にこの川を中心にして行動しなければならない。
「とはいっても、全く考え付かないんだけどね」
とりあえず、それについて考えるのは、もっとゲーム機に関しての知識を身に付けた後になるだろう。それに、次にやるべき事は既に決まっているのだ。
それは水の確保、即ち河川の環境維持である。
貴重な飲用水であるこの河川、詳細の欄を見ると周囲の環境で変質すると表記されている。清流では無くなる、つまり綺麗では無い水に成ると言う事だ。しかも現状、鍋は疎かコップすら持っていないのだ、煮沸消毒すら出来ない状態で生水を飲むのは危険過ぎる。よってこの水が汚れてしまえばもう使えない、再び水が飲みたくなって河川再召喚、なんて展開は笑い話にもならない。早急に解決する必要がある。
とは言ったが私に環境保護のノウハウなんぞ皆無、というかそんな事を個人で出来るとも考えられん。
「と言う訳で、必然的にコレに頼るしか無いのか」
取り出したるは、もはやお馴染み携帯ゲーム機。
「“水”と“綺麗にする”で検索」
ネットでの検索方法宜しく、語句を分けての検索を開始する。ぶっちゃけ人(?)任せでは有るが、知識の無い人間が下手を打つより建設的だろう。その結果、一つの項目が表示された。
≪ 水妖精(下位) (自然/生物) コスト:300 ≫
……
「……妖精、だと?」
もうわけがわからないです。
どうでもいい情報、柾さんはテンパったり嘘ついたりすると会話とか地の文が敬語になります。基本的に解りやすい良い人です。次回、妖精さんと会合します。