プロローグ この物語にタイトルを付けるなら?
警告、過度な期待はしないでください、作者の胃がつぶれてしまいます。
突然ですがここで質問です。あなたは無人島に1つだけ物を持ち込むとしたら何を選びますか?
どこかで聞いたような質問である。よくある解答ではナイフや釣り竿、少し意表をついて脱出手段といった所だろうか。
まぁ、この類の質問の答えは三者三様、ベストアンサーなんぞ存在しない事は解りきっている。大事なのは周囲に人は居らず、閉鎖された最悪の空間にはどんな装備が必要かという事だ。
外敵から身を守る武器、食料調達の手段、現状況における解決策など候補は幾らでも存在する。ただ状況に差は有れど、実際に無人島から生還するには助けが来るまで耐え忍ぶ以外の方法は無く、生還の確率も限りなく低いのだろう。つまり、無人島にほっぽり出された時点でほぼ摘んでいるのだと私は思う。
このような突然の話題振りから推測できるかもしれないが、ワタクシ 渡井 柾の現状は大体上記の通りである。
あえて違う所を上げるとするならば二つ、私がいるのは無人島などでは無く奥行きが有るのかも解らないほど一面真っ白で広域な謎スペースの真っただ中で、持ち寄った物は現在私が鎮座している就寝用ベッドのベッキー (今命名)なわけだが……
「……こんな状況で安眠確保してどーすんだよ」
どうにも馬鹿けた状況だが、これは夢だと再び眠ることは許されない、なぜならそんなことは既に三回程試しているのである。このベッド本当に役に立たねぇ。
「しかし本当に何なのだろうかこの不思議空間は。」
このSF映画なんかで有りそうな超不自然真っ白空間、 誰かが此処に連れてきたのは間違いないだろう、しかし誰が?何のために?誘拐?ベッドごと?寝ていたとは言え気付かれずに?ぶっちゃけ私なんぞ誘拐した所で身代金なんぞ出せないよ?
疑問は幾らでも出てくるというのに答えは一欠けらも出てきてはくれない、案外ノリでやってみたとかしょうもない理由なのだろうか。
「……いやいやまさか」
口では否定してみたが、これは案外的を射ているのではないのだろうか行動は大掛かりで大雑把、無計画のくせに用意周到、なんというか思い立った悪戯を物の数秒で完遂させたような突拍子の無さが窺える。
しかしその考え方だと、思い立って直ぐにこの無駄広空間を用意できる程の財力(であってるよね?)を持ち、寝ていた私に気付かれないようにベッドごと家から誘拐を遣って退ける程の権力(でいいのかな?)を持つ人物という事になる。どんなギャグ漫画の登場人物だというのか。全く現実的ではない、というか人間では有り得無くないか?
「……いやいやいや、そんな馬鹿な」
あれれぇ?さらに核心に近づいた気がするぞぉ?
これ以上の思考はやめよう、大体そんな真似がノリで出来る存在なんてカミサマかウチュウジンぐらいしかソンザイシナ……
「イヤイヤイヤ!!ねぇよ!!こんな未知との遭遇が有ってたまるか!!!」
唸り声を上げながら顔からベッドにダイブする、頭に少しでもダメージを与えないと思考を強制的にカット出来そうに無い。
その数秒後、カツンと堅めで軽量な物体が落ちた音が鳴る。
その音に振り返った先にあったのは黒が基調のデジタル機器、私が普段使っているものだった。
「携帯ゲーム機?」
どうやらベッドインした拍子に落としてしまったらしい。
寝る前に弄っていた記憶なんぞ無いのだが、とりあえず電源でも入れて時間だけでも確認してみようかと思い起動させてみる。黒い画面から光が漏れ始めた、どうやらバッテリーに問題はなさそうだ。
多少安堵しながら画面に目を移すと……
≪DNo.8起動確認、魂魄投影、最適化開始≫
なんか、オーバーテクノロジーな起動ボイスが放たれる。
≪初期領域改変、心象展開≫
手にしたゲーム機を中心に世界が変わる。先ほどまで何も無かった白い空間に色が生える。
≪周囲環境解析、誤差修正開始≫
そこにあるのは草原、ただそれ以外何も無い。だが真の意味で何も無かった先ほどの空間とは全く違う、空は青く光が輝き、風が吹き緑が舞う。
しかし、それと同時にそれ以外を感じる事ができなかった。ここには均等な長さに生え揃った一種類の草のみで、別種の草花も、それを食す虫の気配もない。
≪第一層工程終了≫
そう、この場所には草原しかなかった。
「あぁ~、……これなんて超展開?」
未知との遭遇確定である。
目の前に広がる紛うこと無き非人間技、もう混乱も突き抜けましたよ。余りの展開に呆けた頭のまま、私は手元にあるゲーム機に目を向ける。
その画面には大きく一行、以下のタイトルが点滅していた。
≪BIOTOP PLANTER Ver1.8≫
ついにやってしまいました
でも始めたからには最後までやりぬきます。
豆腐メンタルな作者ですがよろしくお願いします。




