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怪我するたびに知らない世界に飛ばされる俺、「あれっ?またどっか行くんか!?」歴史の戦略で現代世界を最強にしてしまう。  作者: じゃれにぁ
第二章  未来の英雄達との出会い

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第二十三話 ー世界の中心【動】ー

康一の心に、家康の放った「分散の思想」が種として植え付けらた。


「できるかどうか」を考える前に、まずはこの小さな町、海鷲で「実験」してみようとする康一の行動力は、まさに日吉丸の泥臭さと家康の深謀遠慮が混ざり合ったものに変わっていった。


テスト勉強も佳境に入ったある夜。康一は地図を広げ、法規、悟、順、拓馬の4人を呼び出した。


「なぁ、みんな。ちょっと突拍子もないこと言うかもしれんけど、聞いてくれんか?」


康一は、配達で毎日走っている海鷲の町を指差した。


「今、市役所も市議会場も、中央町のあの一箇所に固まっとるやろ? でも、それじゃ海べたの集落や、須賀港の人らは遠くて不便やし、町に活気が偏ると思うんさな」


みんながポカンとする中、康一は目を輝かせて続ける。


「これを『ばらいて』みたらどうやろ。例えば、来週のテスト明けの土曜日。俺ら5人で、議場や市役所の機能を、町のあちこちの学校跡や保育園跡に分散させたと仮定して、シミュレーションしてみてな。家康の言葉……あ、いや、とにかく『ばらけさせること』に意味がある気がするんさ!」


「……行政機能の地方分散化、か」

法規が眼鏡の奥の目を鋭く光らせた。

「康一君、君の着想は凄まじいな。通常、効率化を考えれば一点集中だが、君は『町全体の存続』という観点から、リスク分散と公平性を説いている。それは高度な政治哲学的実験だ」


「よぉわからんけど、面白そうやん!」と順が身を乗り出した。

「私は、浜の方の集会所を『分庁舎』にして、漁師さんたちが仕事帰りに立ち寄れるようにしたらええと思うわ」


「僕は……」悟が地図にペンを走らせます。「山の上の古い公民館を、教育や文化の拠点にできないか考えてみるよ。あそこ、見晴らしは最高やから」


拓馬もニヤリと笑った。

「俺は自転車で、それぞれの拠点を繋ぐ『連絡員』のルートを組んでやるわ。おじいちゃんのチャリなら、どんな坂道でも行けるやろ?」


康一は、その光景を見ながら、自分の中に宿る「光沢のある黄金色』が、仲間たちの色と溶け合い、海鷲の町全体を包み込んでいくような感覚を覚えた。


(家康さん。あんたの言うた通りやってみるで。ばらけさせたら、それぞれの場所が『中心』になって、町に血が流れて息を吹き返し始めるような気がするわ……)


テストが終わった土曜日。みんなが、声を揃えて「康一テストどうやった?」


康一は「うん、おかげさまで」と小声で答え目をそらした。


「それよか、今日から始めるじょ!みんな予定は大丈夫か?」


順と拓馬は今日の部活はミーティングだけらしいので後から合流。


早速自転車で繰り出した。


毎日それぞれが予定の空き時間を惜しむように参加した。


この「遊び」のような実験を続けているうちに、配達先のお年寄りたちが康一に話しかける内容が変わってきた。


「康一くん、あんたらの話聞いたよ。あそこの公民館が役所になったら、腰の痛い私らも助かるわぁ」


「若いもんが町の形を考えとるってのは、ええもんやな」


ただの新聞配達員だった康一の背後に、小さな、けれど確かな「新しい秩序の足音」が響き始めていた。


「ばらいてみる」という家康の教えを頭に置いて町を眺めたことで、康一の視界は劇的に変わった。


今まではただ「配るルート」でしかなかった景色が、一つの「生きている仕組み」として浮かび上がってきたのだ。


5人の「海鷲フィールドワーク」


康一が先頭に立ち、日々の配達で培った「現場感覚」を仲間に伝えていきます。


「なぁ、見てみ。ここは海沿いで景色は最高やけど、実は防潮堤があるせいで、段差があり、道が狭くてお年寄りが買い物に行くんも一苦労なんやじょ」


康一が指差す先で、法規がノートに素早くメモを取る。


抽出される「光と影」


彼らは、町を「ばらいて」考えることで、これまで見過ごしていた細かな問題点と、埋もれていた可能性を次々と見つけ出していった。


海鷲の「影」(不便な点)

山の上の集落から役所までは自転車でも20分以上かかる。「ばらけさせる」どころか、遠い地域の声が物理的に届きにくい構造。

配達中、康一は気づく。ネットを使えないお年寄りにとって、町のお知らせは回覧板か新聞だけ。情報が「分散」されず、中心部で止まっている。


海鷲の「光」(いい部分)

町のあちこちに点在する古い集会所や空き家。法規は「これらは単なる古い建物ではない。地域住民の『知恵の集積地』になり得る」と。

拓馬が気づいたのは、入り組んだ路地。「これ、車は通れんけど、自転車なら最短で家々を繋げる。配達のプロである康一のルートこそが、町の血流やな」


康一の「気づき」

村中山の上から港を見下ろしたとき、康一はふと、家康や日吉丸が言っていたことの本質に触れた気がした。

「……これ、ただ役所をバラバラにするだけじゃあかんのさな。それぞれの場所に『何が必要か』が全然違うんやな」

康一は仲間に向かって、確信を持って言った。

「浜の方には『港を元気にする仕組み』が、山の方には『安心して暮らせる仕組み』が必要なんさ。それを全部中央町役所一箇所で決めようとするから、どっかが寂れていくんやないか?」


法規が驚いたように康一を見つめた。

「康一君……君は今、『地域特性に応じた権限の委譲』という核心に触れたぞ。画一的な統治ではなく、それぞれの場所が自律して動く。それが真意だったのかもしれないね」


5人は、海鷲の「いい部分」と「不便な部分」が、実は表裏一体であることに気づき始めた。不便だからこそ残っている繋がりがあり、いい部分があるからこそ、それを守るための新しい形が必要なのだと。

康一を包む「光沢のある黄金色』は、迷いのない色へといく。

「よっしゃ、まずはこの『海鷲の本当の姿』を地図にまとめてみよらい。教科書に載っとる地図やなくて、俺らしか知らん『生きた地理』をさ」


その日、5人は夕刊の配達が始まる時間まで、夢中で町の声を拾い集めました。

町の「光と影」を冷静に分析した5人だが、康一の心には日吉丸のような「ワクワクするエネルギー」が湧き上がってきた。分析だけで終わらせないのが康一の良さだ。


性格の全く違うそれぞれが影響しあい、巻き込みあいながら、湧き上がるエネルギーを肌で感じるのであった。





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