表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪我するたびに知らない世界に飛ばされる俺、「あれっ?またどっか行くんか!?」歴史の戦略で現代世界を最強にしてしまう。  作者: じゃれにぁ
第二章  未来の英雄達との出会い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/21

第十話 悟の家庭事情-お前は普通でいい

■悟の家の事情──“静かすぎる家”と“期待されない子ども”

悟はいつも飄々としていて、やる気がなさそうで、でもテストは必ず満点。

その裏には、拓馬とはまったく逆の“家庭の重さ”があった。


■佐伯家──“完璧な父”と“空気のような母”

悟の父・佐伯誠一は、市役所の助役。

町では「真面目で優秀」「頼りになる」と評判の人だ。

家の中でも、誠一はいつも冷静で、怒鳴り声を上げることは一度もない。

だが──

優しさも、ほとんどない。

「悟、宿題は終わったか」

「……終わった」

「そうか。なら静かにしていなさい」

それだけ。

褒められたことも、叱られたことも、ほとんどない。

悟の母は、いつも穏やかで優しいが、どこか“影”のように薄い。

「悟くん、ごはんできたよ」

「……うん」

母は笑うが、その笑顔はどこか寂しげだった。

悟は、家の中で“空気”のように扱われていた。


■悟の才能──「期待されない天才」

悟は小さい頃から頭が良かった。

数字も、文字も、一度見れば覚えてしまう。

だが父は言う。

「悟、お前は普通でいい。目立つ必要はない」

母も言う。

「悟くんは、静かにしていればいいのよ」

悟は気づいていた。

――俺は、期待されてない。

拓馬とは真逆だった。

拓馬は“勝て”と言われ続けた。

悟は“何もするな”と言われ続けた。

どちらも、子どもには重すぎる言葉だった。

悟はいつの間にか、“やる気がないふり”を覚えた。

本気を出せば、父に「目立つな」と言われる。

だから、眠そうにして、だるそうにして、「興味ない」と言うようになった。

でも──

テストだけは満点を取る。

それは、

唯一の反抗だった。

「俺は、普通やないでな」

「俺は、ちゃんと頑張っとるトコ見てほしいで」

そんな小さな叫びだった。


■悟と康一──“初めての興味”

悟は人に興味を持たない子だった。

誰と話しても、心が動かない。

でも康一だけは違った。

康一の“気づかぬ強さ”・“底抜けの素直さ”。

悟は初めて、「この子を知りたい」と思った。

ある日、悟は康一に言った。

「康一、お前……なんでそんなに優しいん?」

康一は笑う。

「優しいんやなくて、怒る理由がないだけや」

悟は胸が熱くなった。

――ああ、こいつは本物や。

悟はその日、家に帰ってから初めて母に言った。

「今日、友達できた」

母は驚き、そして泣きそうな顔で笑った。

「……よかったね、悟くん」

悟はその笑顔を見て、

胸が少しだけ軽くなった。

■悟の“本当の願い”

悟は誰にも言わないが、心の奥にひとつだけ願いがあった。

――俺も、誰かに必要とされたい。

康一と出会って、その願いが少しずつ叶い始めていた。

悟は気づいていない。

康一の“光”が、悟の心の奥に眠っていた“孤独”を溶かしていることを。

そして悟自身も、康一と未来に深く関わる“重要な存在”になっていくことを。

この頃は誰も想像していなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ